2014年12月26日金曜日

題詠blog2014の事(10)


091:覧
必要な力は誰を汚すもの割れた鏡をご覧なさいな

092:勝手
つまらない孤独の理由考える一人で勝手に泣き笑い顔

093:印
恐ろしい結果は叫んで逃げ出して夢にまで見る印をつける

094:雇
終電に溜息ばかり入り混じる蝉に似ている被雇用者の背

095:運命
さあ早く運命並みに安っぽい理由を寄越せ僕と僕らに

096:翻
シャルロッテ翻す黒スカートの端から覗く高慢な月

097:陽
水色のプール塩素の匂いして見えぬ太陽あなたを想う

098:吉
丸い爪いつくしみとは何なのか吉凶夢見る夜の辻占

099:観
泣くだけで容易なんだと思う日々私たちには諦観がある

100:最後
最後には笑って綺麗に別れるかお金ちょうだいさもなくば死ね


何とか年内に完走できましたね。よかったよかった。

2014年12月19日金曜日

題詠blog2014の事(9)

081:網
網棚に並ぶ不始末黒黒と願いましては失踪したい

082:チェック
思い出は綺麗と言えば嘘つきだギンガムチェック揺れるブラウス

083:射
牛刀に明かり冷たく反射して今宵は月を賽の目に切る

084:皇
幸せな皇子であればルビー色血走った目で愛を乞うひと

085:遥
マンモスが遥か昔にいた頃へ眠れぬ夜のおとぎばなしを

086:魅
何も見ず魑魅魍魎を書けるってそんな顔して言う事じゃない

087:故意
運命は意図的にして故意犯であなたの髪は光に透ける

088:七
深夜帯ルームナンバー七〇二録音された嬌声響く

089:煽
柚子の木を揚羽幼虫殺してく芳せ煽る欲深い夏

090:布
おふとんにわたしやらかくくるまれてにげられないね冬眠しよう

2014年12月5日金曜日

2014年11月の短歌 ベトナムコーヒー

同情の無神経さは軽薄でささくれるだけ心があれば

旅情など知る由もなしこぽぽぽと落ちるベトナムコーヒーの味
#sandpitさんへ

露出狂めいた夜半は過ぎていく理想の中の自分はどこだ

週末を無益に過ごす贅沢さカルボナーラはうどんで作る

償うと贖うなにも違わずに消毒液に哺乳瓶埋め

甘塩の鮭の肉から骨を抜く何かは何かを愛するという

耳の中垂らす唾液の海があり別れの度に消える潮騒

始発待ち靖国通り迂回する裸足の群れに私はいない

代替でいいと思った脱脂綿濡らす唾液はやたら甘くて

メロン食う歯型を残すオレンジに腐りかけてく純情少女

水族の生ぬるい足かぞえみる指の合間に目立つ水掻き

一生のうちまばたきで目を瞑るその数回を無限に愛す

何もかも分かってるって言わせたい赤い靴裏かかとを鳴らす

2014年11月28日金曜日

2014年10月の短歌(2) ファイナルガール 

真っ白の皿を汚して飯を食う青い舌先野蛮を愛せ

石けんを使わぬシャワーで流される汚れたわたしは何なんだろう

要するにゾンビ映画で逃げ惑うファイナルガール目指したいのよ

柔らかな空気の穴を膨らます君の作ったまずいケーキは

ゼットンが怖くて背けたその記憶負けたまんまの光の戦士

その指を魚介の類に例えては不味そうなんて考えている

ぶるぶるとお鍋の中で沸いていくお豆腐みたいな怒りを抱え

セクシーな金髪美女に誘われ今宵も安い酒を買い込む

おそうしき、小さき声でつぶやかれ砂庭埋まる壊れた玩具

新しいワンピース着て良く爆ぜる栗の鎧を脱がしにいこう

恩知らず恥知らずだと笑う人よけて傾く裸足の廊下

ぼんやりと人を蔑む程度には醜くっても開く饗宴

終電車サラリーマンの胸元に温まってく少年ジャンプ

ぶつ真似はしなくてもいい背中から滑る円力防水ジャミラ

生きたくてもがいた末に死にたくて結局きょうも空が紺色

誰にでも優しいんだと知っている馬鹿だと言うとそうねと笑う

週末に空から天使落ちてきてついでに私を潰してみろよ


2014年11月14日金曜日

テーマ「一」 うたらば第69回

うたらばさんで、「一」というテーマで
短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

退屈な夜を迎えるのが嫌で一等星にあだ名をつける
(大木はちさん)

(世界一さみしい音はなんだらう)市バスのドアが開いて閉まる
(伊波虎英さん)

どうしようもなく孤高の存在ではあっても、
周囲にはたくさんの事物が溢れている、
数字の一についてはそんな印象がある。
Theではなくaに対しての、柔らかい憧れがあるというか。

自分は下記を投稿。過去歌。

覚悟とか一生かけてもできないや秋味ビールのあぶくは琥珀

甘辛煮茄子の切り込みやさしくてもう一度だけ君を抱きたい

2014年11月7日金曜日

2014年10月の短歌(1) 四半期追従

明日は晴れよしんば誰か祈るでしょサプリメントの亜鉛はまずく

エンドレス四半期追従白熱の締日連鎖で消えるぷよぷよ

溜め込んだ泥沼のなか脳だけが自己主張する刺さる痛覚

立ち並ぶ高層ビルの夜景群きれいと思えないのはいつから

持ち帰る荷物の重さ何もかも知らなくていい時もあったね

金曜日にくいつらいが連なって甘くて重いケーキになるよ

新しい星座を一緒に作ろうかゴミ箱型の点を繋げる

関係の終わりが見えて靄がかるやたら愛しい跳ねる襟足

あらゆると弛むゆるゆる流れ出す許す赦さず燃る夕鶴

反撥の所以だれかにかしずいた弔い文句捨ておく真昼

祈りつつ墜落してく雨の甲わたしにくださる後悔のあと

色校に乳房の肉を指定する赤鉛筆の硬い爪先

救済の童話聞かせて眠らせる君の非を責めつややかな頬

ダメじゃないサジタリウスの歌唄い宇宙の果ての私を愛せ

舌を出し白目を剥いて覆すさみしいなんて容易じゃないよ

呼ばれたらすぐ来ることを知っていて消せない電話番号がある

白和えの味付けに住むお母さんユウくんエリちゃん知らぬ人妻

後悔を(ポクポクチーン)する事に(ポクポクチーン)慣れてはいない

駅ホーム先頭で待つ人たちへ墨黒の羽背中に生えて

2014年10月31日金曜日

雑記 ばらの花のコサージュ

不器用で適当な人間による
ばらの花のコサージュ作りをご覧ください。

材料はユザワヤで調達。

4cm幅の表裏サテンリボン1m(450円)

コサージュ台
(裏にピンとクリップ付。100円)

+強力な接着剤と、
ミシン糸をご用意ください。


1.
リボンを写真のように折り返します。
5mmから1cmはみ出るくらいに。





2.
ぐるっと左側へ折ります。










3.
右端からくるくると巻いていきます。

指で押さえている部分あたりを
ミシン糸で縫いつけ、玉結びしておきましょう。
これが芯になります。

ここまで出来たら
もう怖いものはありません。


4.
芯の下を縫い付けたら、
写真のようにリボンの端を折ります。

そしてくるっと折った端に向かって
芯を巻いてみましょう。



5.
折った端を、芯に巻いて縫い付けます。

端を折る→巻く→縫い付ける、の
繰り返しをすると
しっかりした形のばらになります。

今回はふわっとさせたいので
折って巻くのは1回だけです。
6.
リボンにシャーリング、
良い感じの皺を寄せましょう。

5mmごとくらいに針を入れ、
3cmごとに糸を引っ張るのを繰り返します。

しつけ糸っかってくらいの
雑さで大丈夫です。外側に見えないし。

7.
きゅっと糸を引っ張ると
ご覧のとおり皺が寄ります。

ふんわりさせるとか
きつめにさせるとかはお好みで。
ふわっと目の方が
縫い付けやすいです。
8.
皺を寄せたら芯に巻いて
芯に縫い付けていきます。

あとは約1m分、
皺を寄せては芯に縫い付け、を
繰り返すだけです。




9.
最後の方は、リボンの端を折り、
適当に縫って処理しましょう。
芯にくるっと糸を巻いて、コサージュ台に
くっつけやすくしておくと良いです。

ぶっちゃけ扁平になり失敗です。
巻いたリボンを芯に
しっかり縫い付けないとこうなります。
ここまでなら糸ほぐしてリカバリ可能。


-余裕があれば-

適当にテグス通した
パールビーズとか後ろに
縫い付けちゃったりすると
華やかになります。



10.
コサージュ台を付けましょう。
手芸用の超強力ボンドを
コサージュ台、リボンの芯に着け
合体させます。

リボンが浮きやすいので、
洗濯バサミなどで挟んで
固定する事をお勧めします。



大体直径7cmのコサージュが出来上がります。
所要時間は1時間強くらいでしょうか。

リボン幅を短いもので50cm長さで、
ばらを沢山作って花束みたいにしたり、
薄手のリボンを2枚重ねて作っても素敵だと思います。

WEB検索結果で思うようなコサージュの
作り方が無かったので、自分の備忘録としてまとめてみました。

2014年10月10日金曜日

2014年9月の短歌 カラオケスナック

目の覚める青さ首筋かたく有り止まらぬ汗を拭い続ける

乾杯がカラオケスナック漏れ聞こえ知らぬ幸せ願う人々

淫蕩に耽る神様石油王騙る誰かの口座番号

見せしめのように満月かがやいて影は一人で楽しく踊る

扁平に歪む視野には月白く滲んで消えるある夜のこと

ぬけぬけと月が綺麗だなんて言う他意はないのを知っているけど

千九百九十九年多幸感音楽を聴き覚えた皮肉

トイレットペーパー状の怨嗟にて水にとろけてなくなる仕組み

なんとなく口を開けては待ちわびるその黒い手は私を汚す

書き溜めた手紙ふよふよ溶けていく赤い夕焼け炎のようだ

青色のポスターカラーを半分こ口汚く罵る平和

2014年10月3日金曜日

テーマ「茶」 うたらば第67回

うたらばさんで、「茶」というテーマで
短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

なんとなく生きる私の手はいつも殻の茶色い卵を選ぶ
(木下龍也さん)

革靴の黒黒黒に茶程度の脆い個性で今日を生き抜く
(やじこさん)

日常の中にある色の中で、茶色ってどんな存在?
ふっと指摘されて無意識の中の強烈な意識を
気付かされる短歌だと思う。
弱い人の持つ「自分の弱さを知っている強さ」を感じる。

自分は下記を投稿。喫茶店での出来事。

先に行く人の残した珈琲がやたら黒くて少しさみしい



2014年9月26日金曜日

題詠blog2014の事(8)

071:側
一人行く道道車疾く走り君の不在は明らかになる

072:銘
金の指正真正銘愛だって誓える人の形良い脚

073:谷
市ヶ谷の釣り堀で見た穏やかさあれは五月の一日でした

074:焼
欲しがった自己中心的陶酔は雨の日詩篇をやわらかく焼く

075:盆
客室に精霊馬の青匂う凪いだ風には誰か急く声

076:ほのか
ずるさより正しさだけが怖くって仄かな闇を見出している

077:聡
今日右で昨日は左一昨日は聡いお前の愚鈍を憎む

078:棚
本棚の半分は趣味実用書もう半分を埋める自己愛

079:絶対
絶対の存在になる欲だけは明らかにしてだのにお前は

080:議
どのくらい好き?って質問待ってるよ不可思議単位使えそうだよ

2014年9月19日金曜日

題詠blog2014の事(7)

061:倉
悩ましく選ぶことだけ強いられる餡蜜添えし抹茶か小倉

062:ショー
捨てられた子猫みたいとベン・ウィショー語る口には甘い業苦を

063:院
分解をされてナース指先辿ってくかつて私であった青い血

064:妖
終電を逃し夜だけ生き延びる喉の渇きを知らぬ生き物

065:砲
花火音遠くに残る静寂に砲撃戦のかつてを想う

066:浸
厚揚げとキャベツ煮びたし格安でやさしさなんかに優劣がつく

067:手帳
たわむれに手帳ちぎって描かれた蛙未だに捨てられもせず

068:沼
マヴェ沼にスパナチュシャロ沼溺れゆく我に新たな処刑人沼

069:排
毎日を育ては千切る苛立ちは排水溝の目皿に溜まる

070:しっとり
雨の日に濡れたシーツは張り付いて日本全国灰色となれ

2014年9月12日金曜日

2014年8月の短歌 倍倍カロリー

正しさを主張する人怖い人誰かの弱さ認めない人

認識の違いだけでは重過ぎる鴉黙らす饒舌な酒

牛頭の父と女神の母のもとロックンロールを聞き分ける耳

クアトロのピザを頼んで残す二斤あなたとあなたの私の分の

汗をかく粘菌質の精神に殺人的に眩しい河原

蒸す夜に駄目だ駄目だと蛙鳴き殺す殺すと油蝉鳴く

ジリジリと濃縮還元される夏頭痛のように蝉の鳴き声

一緒、に、さ、誘う溺れる落ちていく銀色の鹿まばゆく熱帯

どうにでもなるくらい暑い夏が来る君と寂しさ忘れるほどの

双手にはラメ入りピンクフレンチの二丁拳銃ごとき暴挙を

バニラのせ倍倍カロリーハイカロリー幸福なんか安易で容易 

空回る速度を知って音が鳴る自分の正しさあなたの病 

こっそりと卑屈に怯え続けてる強く正しい女の人を 

覚悟とか一生かけても出来ないや秋味ビールのあぶくは琥珀 

好い人と悪い人なら極端で意地の悪さが好きか嫌いか 

目が合った気がした今日も殺し屋に狙われ怯え会社に行こう 

重たくてうるさいだけの頭ならいらないいらない捨ててしまおう 

沸くお湯に輪をかけ夜は重くなるこんな淋しいむらさきの渦 

願い事タイムマシンで過去へ行くそして私を抱きしめに行く

後悔をしたくなければ無視をする積み重ねてく不良債権 

ふるさとの字面の甘い優しさに騙されかけてまた齢踏む 

幾らでも叫ぶだけならしてやるさここは天国逃げ場のない地 

窓のない建物ばかりあふれててしがない野性すり減らしてる 

真昼間のアイスクリーム鉄の味愛の言葉じゃ許しはしない 

砂糖水みたいに安い嘘をつくピンクのカバは行進しない 

2014年8月29日金曜日

題詠blog2014の事(6)

051:たいせつ
愛するの代わりに訳すご大切友を連れ去る神様はいま

052:戒
戒めを説く人々の息荒く空を見上げりゃミサイルが降る

053:藍
藍色の不安選んでコレクション何処かで何か狂う手前で

054:照
照れながら噛み付くようなキスをする本当の事誰も知らない

055:芸術
爆発し情熱を持つ冷淡さ求むるものは凡庸を絶ち

056:余
その笑顔余分な甘さ好きじゃないもっと下品な皮肉が見たい

057:県
隣県に嫁ぐと噂聞きました初恋であった筈の誰かの

058:惨
アーモンドバターケーキの楔打つ惨めな夜は甘やかす舌

059:畑
明後日はライ麦畑で捕まってハイエナみたく笑う約束

060:懲
性懲りも無く君好きな私です痩せた手繋ぎたらたら歩く

2014年8月22日金曜日

2014年7月の短歌 拡声器持ち

ガラスびん、瓶では無くてびん、と書く優しい人と錯覚をする

選ばれるたべっこどうぶつ手で遊ぶ傲慢強く幼さを食む

ああこれは戦い方を知っている目だけで笑う悪い女だ

欲しがった強さはこんなに弱くって君の理屈を曲げられもせず

声変わり前のどろどろげろげろの声で歌った大地讃頌

わあわあと意味無く言葉繋げては拡声器持ち過ぎ行く未来

怒鳴り合う殴り合うこと前提に例えば一緒に暮らしてみよう
うたの日初参加)

安心をお金を出して買ったなら私で不安を買ってみないか

恐怖とはある種のポルノグラフィと語られるから散らす褐色

ああそれはとくとく続く痛みだな恋に恋する難儀な人は

桜舞う新百合ヶ丘見逃した君が乗ってた筈の快速

犠牲的自己愛深く深々くレモン氷の黄色に刻む

早急に済ませてしまえ自慰のごとくらくら揺れる私の呪い

飛び降りて楽になるならするけどさ気だるい色気口調で語る

豚として売られるさだめであったかも知れぬ命を落とす流星

あたしはねあんたのことがきらいなの笑顔口角伝わる私情

皮肉にもエスターブリッシュ打ち負かし訳の分からぬ今宵を閉じろ


2014年8月8日金曜日

テーマ「後」 うたらば第64回

うたらばさんで、「」というテーマで
短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介

活躍をしてねその後は順調に挫折をしてね、応援してる。
(たえなかすずさん)

はじめますじゃなくてはじめましたって事後報告で来た夏も往く
(山田水玉さん)

正直、ずるい、と思ってしまった。
夏は容赦なくやってきて、また名残を惜しんでも
勝手に過ぎ去っていくようなどうしようもない恋みたいだ。

自分は下記を投稿。酔っぱらった勢いで投稿する迷惑千万クオリティ。

理由など全部が全部後付けの論理で括る被害妄想

夏の雨他の誰かが好きだって後から聞いて濡らす制服

地球儀を回して世界一周を目論む人の後頭部見ゆ

情欲と常識かける天秤に少しの後ろめたさを乗せる

改札をくぐらなかった後悔と誰かの笑顔思い出してる

安っぽい陳腐な後ろめたさですギブミーギブミー愛をください

猫ちゃんの後頭部ばかり気にしてる君が愛しい猫が愛しい

2014年8月1日金曜日

題詠blog2014の事(5)

041:一生
「キスして」も「殺して」も全部その口で言うまできっと離さないから

042:尊
安っぽい証書に太く記される仰げば憎し我が師の恩を

043:ヤフー
ヤフーヤフーこちら只今屋上で君の名前を叫んでいます

044:発
全部全部全部全部発破かけ眉間の皺を小指で伸ばす

045:桑
なるようになるさ桑の葉その口で上品に食う蚕のように

046:賛
サンセイ、と自動再生されていく屠られた豚吊られて揺れる

047:持
持つべきと持たざるべきを逡巡す赤子てのひら詰まってる肉

048:センター
十五歳極度にしなる右腕の放物線はセンターを越え

049:岬
底深く貪るような愛がありやがて岬にいたる空船

050:頻
君の前頻り震える両の膝張り詰められた蜘蛛の巣の糸

2014年7月18日金曜日

題「雨」 歌会たかまがはら6月号

歌会たかまがはらさんで、2014年6月号「雨」というお題で
短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

真夜中の雨の街路を駆け抜けるエッジの利いた被害妄想
(山本左足さん )

あすも雨と信じて眠るこの雨はおれの何かをたくましくしろ
(たきおとさん)

瑞々しいネガティヴさ!
鈍重な空気の雨の中で自己内部へ向かう
鋭利な気持ちが突き刺さります。すごいよなあ。


自分は下記を投稿。まあ、採用されませんでした。
もう少し何とかせんとですね。

土砂降りの雨雨雨の黒い町血走った目であなたを探す

どうせなら私のものになっちまえ二人を囲う透明な傘

否定する重たい頭もたげては今日も雨だと嘘を騙って

2014年7月11日金曜日

2014年6月の短歌 かすてらが好き

風薫る五月は私を揺さぶって揺さぶりまくって疚しさ残す

強がると折れやすいのは知っているプラスチックのフォークみたいに

しね、なんてかすてらみたく軽やかに言う君が好きかすてらが好き

生理用衛生綿を持たされる優しい人はレバーがきらい

最初から完璧なんていい子でも壊れる術は誰でも同じ

全身が豆腐になってしまえれば崩れてくこと楽しめるのに

愛し方学ぶよりまず朝起きてあんじょうな生き方をしようか

だれの死も寄りそえばこそなまぐさいまんまんちゃんと泥の上にて

お前らが望むものならくれてやるだから私を望ませてくれ

娘たちシロツメクサの輪を作り首を括れば歌う口草

二回目のHelloWorld滲んでく静かな朝に雨が降ってる

齧り付く歯型の残るラムチョップ早くも夢に閉じ込められて

チェルシーの中身は僕が溶かすから花模様全部黒塗りにして

2014年7月4日金曜日

題詠blog2014の事(4)

031:栗
栗の花白髪太夫の連弾に夏の日陰の遠い日を請う

032:叩
求めれば叩けばさらば開かれん予定調和は今は要らない

033:連絡
ぼろぼろの藁半紙には滲んでる連絡網の初恋の跡

034:由
これは空そしたらこれは海の色君の選んだ自由は青く

035:因
すべからく肯定される因果律それでも恋はしなくてもいい

036:ふわり
生白い金魚の腹の膨らみをふうわりとした手足を愛す

037:宴
青色の太陽光は刺していく宴もたけなわ手の鳴る方へ

038:華
唇を真一文字にしたままで気持ちは昇華してくのでしょう

039:鮭
冬枯れにサーモンピンク眩しくて市場に少年少女は駆ける

040:跡
乱暴に君の痕跡飛ばしてく強く吹く風誰かの叫び

2014年6月27日金曜日

題詠blog2014の事(3)

021:折
少しだけ端を折ってる辞書のことまだ残ってる体温のこと

022:関東
梅雨入りが報じられてもピーカンで関東地方の自信を失くし

023:保
自己保身めいた言葉は言えないで三つ子百まで鉄砲玉で

024:維
繊維入りマスカラだからばっちしと君を視界に捕まえてやる

025:がっかり
期待とかしすぎちゃダメと分かっててがっかりはする甘え感情

026:応
君がそう呼ぶのであれば応じよう我は偉大な煩悩の王

027:炎
身の内に火炎放射器隠し持ちいつでも吐けるようにしておく

028:塗
サンタルチア歌う足取り半歩浮く雨は答えをグレーに塗って

029:スープ
味噌スープコンソメスープ割りスープ海亀のスープあなたはだあれ

030:噴
会う時はいつも都合が悪い時一人で過ごす噴水広場

2014年6月13日金曜日

題詠blog2014の事(2)

011:錆
日に透ける錆色の毛は滑らかで不満露わに見や見やと言う

012:延
夢希望描いた延長線上にくすぶっている大人感情

013:実
コンデンスミルクの為の均衡を得難く思う初夏のフルーツ

014:壇
満開の躑躅華やぎ僕達は花壇の中で息を潜める

015:艶
艶めいたマニキュアの澱振ってみる私一人のための流星

016:捜
家出人捜索願い方手書き失われた名つかめない夜

017:サービス
行く春はサービス業の眼鏡屋さん怒号と同じ音の挨拶

018:援
段々と熱を持ちつつ皆様の御声援感謝手を振る鸚鵡

019:妹
空想の姉妹はいつも手を振ってカナリアの歌歯笛を鳴らし

020:央
閉め切った部屋で聴いてるJ-WAVE中央環状線果てにいる

2014年6月6日金曜日

2014年5月の短歌 反抗期です

ゆるふわな脳みそなりに考えたやっぱりみんな滅んでしまえ

被食者と捕食者と同じバスに乗り段差の多い町を去りゆく

メロドラマみたいな夢を見てしまうそして卑屈な自分が愛しい

制度的予告抑制支配欲世俗に塗れ歌え聖歌を

くだらないファッキン嫉妬繰り返す毎日僕らまな板の上

ショッキングピンクに悪趣味蛍光の黄緑乗せて蠢いて夜

大人でも糞とか言うのこれはただ今更ながらの反抗期です

伸ばされる大きいだけで頼りない人の手のひら弱めに握る

言葉とか自転周期が同じでも分かり合えないだから楽しい

決めたなら守ってみろよ不甲斐ない猫背に乗った聖職像め

ああ死のう今日のやぎ座は最悪と朝のテレビは呑気に笑う

苦しいと嬉しいの波繰り返す瞼一枚隔てた距離で

2014年5月30日金曜日

テーマ「旅」 うたらば第61回

うたらばさんで、「」というテーマで
短歌募集をされていました。
自分は下記を投稿。

ポケットに秘密たっぷり詰め込んで一人ぼっちで捨てに行く旅

犯人と刑事は僕の顔をして寝台列車揺られて眠る

2014年5月23日金曜日

題詠blog2014の事(1)

そもそも何故、BLOGを始めたのかと申しますと、
題詠blogをやってみたかったからです。
使い慣れてるGoogleサービスでBloggerがある事を知り
BLOGを作ってみました。さて、題詠blogに挑戦だ。

Bloggerにはトラックバック機能がなかったんですね。
事前の調査不足ぷりに人間としてのいいかげんさが露呈します。
BLOGを作り直すだけの気力もなく、くやしいので
ここで一人、自己満足に題詠を重ねていきます。


001:咲
深い森赤い頭巾の花が咲く引き摺る匂い、狼が来る

002:飲
自分とは違う形で動くから水を飲み込む喉を見ている

003:育
健全な青少年の育成に必要という文化包丁

004:瓶
太陽をラムネの瓶で透かしてさ歪ませてみる夏の悪癖

005:返事
名を呼ばれ返事をすれば誰彼と萎んで朽ちるアサガオの花

006:員
小3で図書委員とかやっていてたぶんおそらく幸せだった

007:快
快速を逃したくなる言い訳で盲目的な肯定へいく

008:原
叶うなら今から作り直してよ砂糖とスパイス素敵なもので

009:いずれ
いずれまたどこかで出会うその人へ呪いの様に残すさよなら

010:倒
ひとりずつ倒して上がる戦闘値最後に残る玉ねぎの芯


2014年5月9日金曜日

2014年4月の短歌 溶かしバター

食らわせる毒と皿盛るビタミンCあなたのことは憎くはないよ
#ひとつ嘘の日企画)

丁寧に反抗心を培って赤い爪隠す靴下を履く

もう一度生まれるならば塵となり小惑星の軌道を辿る

セクシャルな青いトマトを湯剥きする雪平鍋が鈍めに光る

この部屋へ春を呼ぶためいくらでも溶かしバターを作ってやるよ

できるなら私のことを考えて落ちてしまえばいいのに、椿

突っぱねた手の冷たさのその代わり電子レンジが喋ってくれる

甘噛みに汚れた指を汚させるお互いをまだ知らないでいる

人前に漏れる前戯の傍らでこの世の終わりみたいな顔を

持ち運び可能な昨日首筋へ若いの定義見せびらかせて

空室を満室にして赤色をスカイラインのライトが照らす

見開いた目は動かない落ちていくきれいな花を咲かせたままで

全員が黄色いお目々悪魔たちうがいをしたらおかえりなさい

九文字に生まれ死んだら刻んでく静かに指が位牌を倒す

葡萄酒とパンの合わせは本当に合うのかどうか話し合わない?

砂壁にマティーニで跳ぶ穴を開け一緒に道を外れませんか

うす赤い骨格標本ニンゲンに無い部分だけ尊い命

愛情の形さまざまなればこそ並んで錆びるビニールの傘

世界中吐かれるFUCKの数の分にやけるだけの権利はあるよ

ゴビ砂漠柄した君が牛乳に忙しいからコーヒーを飲む
#牛乳短歌企画)

Four Letter Wordsの種類増やしてさ二人一緒に悪魔になろう

片腕でティッシュの箱を潰すときわずかに見せる暴虐性を

そんなには好きじゃなかったお互いに一線なんか引き渡せばいい

メンヘルがメルヘンに見え青い鳥探す足取りとろけて重く

明日にまたこの筒状の身体で現実的な空虚を穿つ

2014年5月2日金曜日

雑記 傘がむかつく

 

桜満開の季節にお花見計画を立てていた人もいて
あいにくの雨になってしまいざまあ残念ですね。
それでも花散らしの雨、とか、桜の絨毯ができていい、とか
風雅な心持ちを忘れない日本文化のプラス思考が好きです。

日本といえば一時技術立国ニッポンなどと世界を
騒がせてましたが、最近どうなんでしょうか。
失礼ではありますが、ちょっとたるんでないでしょうか。

なぜかというと雨の日に傘を差さずに済む
方法をまだ開発できていないからです。

かわいい傘と長靴で雨の日もご機嫌、とか日本文化の
プラス思考でまかないきれない部分は多いと思うのです。

一部の優秀な方がこんないいものも開発しているようですが
布ではなく空気の壁で雨を防ぐ超ハイテク傘「AIR UMBRELLA」

傘を差す際の腕が至極だるいのです。
差しても結局濡れてしまうのです。

理想は冒頭イメージ図のように全身を覆う水を弾く膜を
スプレーなどで散布するものです。
靴や鞄用に防水スプレーが販売されてますが、あれは
樹脂を薄く塗膜することで撥水効果を生むものですね。

人体に有害でなく、防水・撥水性能が高く、
さらにお湯で落とせるようなものが理想形。
そういうマスカラもあるし何とかならないものでしょうか。

雨の日の疲れた帰途に傘を差していたにもかかわらず
全身びしょ濡れになりました。傘、むかつきませんか。

2014年4月25日金曜日

2014年3月の短歌 嘘つきクラブ会員の

この先は安全地域じゃありません安全地獄が控えてるだけ

贅沢で嫌になる程潰し合う愛ある感じでお願いします

望んだら与えられると人は言う努力している人たちは言う

ふあふあのクリーム添えたパンケーキ女子なら好きって言っちゃう暴力

守られる非力であると花語る金鋏から首が濡れてく

執着を示して動け我が体かたいコーヒーゼリーの夕べ

白黒のいつかの誰か呼び出したモンタージュ影わたしに似てて

道端の吐瀉物並に愛を点くだって自分じゃどうしようもない

起き抜けの服の皺でも数えてろ幸運なんぞ頼りにしない

辛辣な人のメリットデメリット例えば君が好きであるとか

くだらない運命論を吹き飛ばせ!汚泥の上も裸足で走る

終わりまで全部知ってはいないからしまいこんでる切れないナイフ

熱を持つ悪食の為のアルマイト私ごと食べ尽くしてしまえ

感傷を言語化しても生きられる弱くていいから獣になりたい

何らかをくすねあぐねて空を撃つひ弱い意思を左手に持ち

第一に嘘つきクラブ会員の約款にある「愛を持つこと」

あった事無かった事にしましょうね添えた陰膳薬味が香る

鍵の先尖った部分持ったままパラノイアだと決めつけ落ちる

恋じゃないお喋りだけでこんなにも唾液は甘くなっていくのに
3/14企画:甘い気持ち

ミステリとケーキセットは二回転誰も私を知らない町で
 (#カフェたん企画

頭だけ残す魚と目が合って生きる意味などあるのかしらん 
第19回ときどき歌会・自由詠)


カフェたん選んで貰えて非常に嬉しいです。

2014年4月18日金曜日

テーマ「切」 うたらば第59回

うたらばさんで、「切」というテーマで
短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

人間の頭と同じ大きさのキャベツを すとん 半分に切る
(あみーさん)

内省の時間と思うキッチンに葱を切るためうつむくときは
(高松紗都子さん)

台所中心。
台所に広がる宇宙空間というか、料理していると冷静になります。
人間の頭の大きさのキャベツを切る時の潔い音、
葱を切る時の涙が流れてくる事。
誰かの存在ではなく、自分一人の空間の中へ向かう。

自分は下記を投稿。採用にはいたりませんでしたが作ってて楽しかった。

左手でちぎるアドレスSの項ラインマーカーきみの痕跡

半分にホールケーキを切り分ける超幸せでいさせてあげる

切りがない欲望などを持っちゃって月に吠えてはいるのです、まだ

2014年4月11日金曜日

題「塔」 歌会たかまがはら3月号

短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

手の中の檸檬が人を殺すほど高い高い高い高い場所
(黒崎立体さん)

黒崎立体さんは詩も書かれている方で、いろんな媒体で
お見受けするけど、感受性の豊かさにいつもビックリする。
言葉の力強さをいつも感じさせて下さる方です。
塔、というちょっと難しい題詠でもこの力と個性、すさまじいです。

自分は下記を投稿。採用歌を見てから見ると
なんと腑抜けていることか。短歌採用されてないのに
番組で質問採用されたり。お恥ずかしい。

積み上げてきたこと全部壊してく伝わる言葉持たない二人

アパートの給水塔の光る午後走れ走れよ小さい背中

電波塔越して眺める梅の花負けてもいいとやさしく笑う

ちょっとだけ足りない分は背伸びして東京タワーとキスをしてみる

2014年3月28日金曜日

テーマ「春」 うたらば第58回

うたらばさんで、「春」というテーマで
短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

視界の端やぶられたかと思ふほど溢れくるなり菜の花の黄
(飯田彩乃さん)

でも僕は花ではなくて雪解けの君を汚せる泥になりたい
(円さん)

ふきのとう素揚げしてまだほろ苦い 波打つような君との時間
(窪田圭さん)

色鮮やかに切実に、劣等感と憧れがないまぜで、
しかしそれだけではない。
春は喜びの季節とも言われますが、個人的にそんな事は、ない。
切り取った情景が脳内にぐわっ、と広がる歌たちです。

自分は下記を投稿。採用して頂けたのが嬉しくてビールを買いました。
800首近い選歌をされている、と目にし、量よりも質、
選歌基準をよく読んで投稿しようと反省しました。

青春に静かにバグるわたしたち甘くたやすく引き金を引く

どうせなら嫌な女になってやる(都合の)いい子卒業決めて

糞寒い三月に舞う花びらは誰を泣かせてしまうのだろう

芽キャベツは目玉と同じ固さだとシチューをつつく君のいる春

恋は死に聖者の顔で春を待つ雪が溶けたら土に埋めよう

またわたし君の強さにつけ込んで桜並木はこんなにきれい

歌わずにいられぬ春の泥を踏む眩しく駆けるパステルカラー

屈折を愛せるほどに甘くなる春よ私を突き抜いていけ

2014年3月14日金曜日

2014年2月の短歌 投稿・企画系

下からと左側からねだるキス砂漠の中の君はオアシス
(さよなら泥短先生)

じゃあね、って鶯谷の駅ホーム並ぶ人たち人形の顔
#ラブホ短歌企画)

どの部屋を選ぶかなんてはしゃいでるどうでもよくてうなじを見てる
#ラブホ短歌企画)

こっそりと普遍概念噛ませ合うそういうお前好みのタイプ
ときどき歌会

もう黙れもっと早くにきみのこと知ってたらなんて嘘でも言うな
#短詩の風企画)

夕立が白いシャツたち濡らしてくあなたの腰は鋼のようだ

コンビニへ借りたジャージで出かけてく腰骨くるむ熱い手のひら

想像のなかでは自由誰も彼も一枚二枚服を脱がせる

幸せと思い込ませて頂戴な退屈しのぎのスクール水着

左手に泣かない女に重たくて泣く男には軽すぎること

2014年3月7日金曜日

2014年2月の短歌 ダッフルコートの

捕まえて撫でて触って傷つけて所有者なんかでいたくはなくて

正しいの定義にもよる悪党になれるか試す制服を裂く

雪みたくポップコーンを散らばせるあの子のように泣き叫べたら

針山の綿の中身になればいい突き刺す冬の墓標になろう

寒くって震えるまつげ雪弾くダッフルコートの似合わないひと

雪を踏みきしむ足音並べても向う側では他人の僕ら

電線の雀のように身を寄せて信頼なんてしてはいなくて

強い人弱い人みな雪のなか選ぶじゃなくて奪い去ってよ

道端のゲロを避けては傾いて重たい夜へ作る穿孔

千代紙の羽根の丸こい折鶴の傾き軽く姫たち笑う

借り物のパジャマ後ろ前逆で尻尾があればちょうどいいのに

白服のサクリファイスと云ふ勿れ舞い昇りたる少女属性

鉄塔をくるくる回る子供たち死は緩慢な光るたてがみ

どうせならキャトルミューティレイションの話をしよう雪が止むまで

一卵性双生児みたく抱き合って死ねたら次は家族になろう

赤マルの例えば灰を手に取って十字を描く夜は毛羽立ち

スティーブン・キングの絶賛するような子供時代を語れずにいる

吸いたくもない煙草吸う月曜日甘露求めぬ私は蛍

あいつらは人を攫いにやってくる眠れぬ夜の毛布となって

2014年2月21日金曜日

2014年1月の短歌 お湯で流すと固まるだとか

尖らせたマスカラ睫毛爪の先血を流さない戦闘へ行く

年齢を重ねる毎に増える知恵お湯で流すと固まるだとか

呪いなら思い付くだけ唱えるが口が裂けても言えない祝辞

誕生日ケーキみたいに明確な幸せ選んでみせてください

世界には私の知らぬ箱があり知らぬ間に間に閉じられて行く

2014年1月3日金曜日

題「感」 歌会たかまがはら12月号

短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

感嘆符と化して誰かと手をつなぐあなたのことをずっと見ていた
(山本左足さん)

こんぺいとうみたいになって陽だまりの激おこぷんぷん丸が消えてく
(西村湯呑さん)

ふるさとと呼ぶ違和感を面影も潰えた街で噛む昼下がり
(こはぎさん)

ぽとぽとと灰色の空が落ちてくる五感すべてを消し去る任務
(こはぎさん)


切ない、可愛い、えぐい、いろんな感情がある中で、静かに
昂ぶりを思わせる。自分にできないのですごいと思ってます。



自分は下記を投稿。久々に番組内で採用して頂けて嬉しかった。


淋しさと孤独は違うと知っている沸かしたお湯は冷めていくだけ

ごきぶりを殺すと悲しい顔をして私の手見るその目をやめて

牛乳を雪平鍋で温める砂糖ひとさじかなしいふたり

閉じ込めるはめ殺しの窓苦しくてメイクラブとかいうよりファック

人いきれ孤独苛むわがままに肉の臭いを突きつけてくる

どうしようもなく淋しいよだからほらお前の唾で砂絵を描く

快楽は尽きる事なく上へ行く煮えた煮えたよ南瓜が煮えた

淋しさは発情中の猫を呼ぶだれかどうにか私を抱いて

剥き出しの木の実みたいなグロテスクあなたがきらいあなたがきらい