捕まえて撫でて触って傷つけて所有者なんかでいたくはなくて
正しいの定義にもよる悪党になれるか試す制服を裂く
雪みたくポップコーンを散らばせるあの子のように泣き叫べたら
針山の綿の中身になればいい突き刺す冬の墓標になろう
寒くって震えるまつげ雪弾くダッフルコートの似合わないひと
雪を踏みきしむ足音並べても向う側では他人の僕ら
電線の雀のように身を寄せて信頼なんてしてはいなくて
強い人弱い人みな雪のなか選ぶじゃなくて奪い去ってよ
道端のゲロを避けては傾いて重たい夜へ作る穿孔
千代紙の羽根の丸こい折鶴の傾き軽く姫たち笑う
借り物のパジャマ後ろ前逆で尻尾があればちょうどいいのに
白服のサクリファイスと云ふ勿れ舞い昇りたる少女属性
鉄塔をくるくる回る子供たち死は緩慢な光るたてがみ
どうせならキャトルミューティレイションの話をしよう雪が止むまで
一卵性双生児みたく抱き合って死ねたら次は家族になろう
赤マルの例えば灰を手に取って十字を描く夜は毛羽立ち
スティーブン・キングの絶賛するような子供時代を語れずにいる
吸いたくもない煙草吸う月曜日甘露求めぬ私は蛍
あいつらは人を攫いにやってくる眠れぬ夜の毛布となって
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