食らわせる毒と皿盛るビタミンCあなたのことは憎くはないよ
(
#ひとつ嘘の日企画)
丁寧に反抗心を培って赤い爪隠す靴下を履く
もう一度生まれるならば塵となり小惑星の軌道を辿る
セクシャルな青いトマトを湯剥きする雪平鍋が鈍めに光る
この部屋へ春を呼ぶためいくらでも溶かしバターを作ってやるよ
できるなら私のことを考えて落ちてしまえばいいのに、椿
突っぱねた手の冷たさのその代わり電子レンジが喋ってくれる
甘噛みに汚れた指を汚させるお互いをまだ知らないでいる
人前に漏れる前戯の傍らでこの世の終わりみたいな顔を
持ち運び可能な昨日首筋へ若いの定義見せびらかせて
空室を満室にして赤色をスカイラインのライトが照らす
見開いた目は動かない落ちていくきれいな花を咲かせたままで
全員が黄色いお目々悪魔たちうがいをしたらおかえりなさい
九文字に生まれ死んだら刻んでく静かに指が位牌を倒す
葡萄酒とパンの合わせは本当に合うのかどうか話し合わない?
砂壁にマティーニで跳ぶ穴を開け一緒に道を外れませんか
うす赤い骨格標本ニンゲンに無い部分だけ尊い命
愛情の形さまざまなればこそ並んで錆びるビニールの傘
世界中吐かれるFUCKの数の分にやけるだけの権利はあるよ
ゴビ砂漠柄した君が牛乳に忙しいからコーヒーを飲む
(
#牛乳短歌企画)
Four Letter Wordsの種類増やしてさ二人一緒に悪魔になろう
片腕でティッシュの箱を潰すときわずかに見せる暴虐性を
そんなには好きじゃなかったお互いに一線なんか引き渡せばいい
メンヘルがメルヘンに見え青い鳥探す足取りとろけて重く
明日にまたこの筒状の身体で現実的な空虚を穿つ