2014年6月27日金曜日

題詠blog2014の事(3)

021:折
少しだけ端を折ってる辞書のことまだ残ってる体温のこと

022:関東
梅雨入りが報じられてもピーカンで関東地方の自信を失くし

023:保
自己保身めいた言葉は言えないで三つ子百まで鉄砲玉で

024:維
繊維入りマスカラだからばっちしと君を視界に捕まえてやる

025:がっかり
期待とかしすぎちゃダメと分かっててがっかりはする甘え感情

026:応
君がそう呼ぶのであれば応じよう我は偉大な煩悩の王

027:炎
身の内に火炎放射器隠し持ちいつでも吐けるようにしておく

028:塗
サンタルチア歌う足取り半歩浮く雨は答えをグレーに塗って

029:スープ
味噌スープコンソメスープ割りスープ海亀のスープあなたはだあれ

030:噴
会う時はいつも都合が悪い時一人で過ごす噴水広場

2014年6月13日金曜日

題詠blog2014の事(2)

011:錆
日に透ける錆色の毛は滑らかで不満露わに見や見やと言う

012:延
夢希望描いた延長線上にくすぶっている大人感情

013:実
コンデンスミルクの為の均衡を得難く思う初夏のフルーツ

014:壇
満開の躑躅華やぎ僕達は花壇の中で息を潜める

015:艶
艶めいたマニキュアの澱振ってみる私一人のための流星

016:捜
家出人捜索願い方手書き失われた名つかめない夜

017:サービス
行く春はサービス業の眼鏡屋さん怒号と同じ音の挨拶

018:援
段々と熱を持ちつつ皆様の御声援感謝手を振る鸚鵡

019:妹
空想の姉妹はいつも手を振ってカナリアの歌歯笛を鳴らし

020:央
閉め切った部屋で聴いてるJ-WAVE中央環状線果てにいる

2014年6月6日金曜日

2014年5月の短歌 反抗期です

ゆるふわな脳みそなりに考えたやっぱりみんな滅んでしまえ

被食者と捕食者と同じバスに乗り段差の多い町を去りゆく

メロドラマみたいな夢を見てしまうそして卑屈な自分が愛しい

制度的予告抑制支配欲世俗に塗れ歌え聖歌を

くだらないファッキン嫉妬繰り返す毎日僕らまな板の上

ショッキングピンクに悪趣味蛍光の黄緑乗せて蠢いて夜

大人でも糞とか言うのこれはただ今更ながらの反抗期です

伸ばされる大きいだけで頼りない人の手のひら弱めに握る

言葉とか自転周期が同じでも分かり合えないだから楽しい

決めたなら守ってみろよ不甲斐ない猫背に乗った聖職像め

ああ死のう今日のやぎ座は最悪と朝のテレビは呑気に笑う

苦しいと嬉しいの波繰り返す瞼一枚隔てた距離で