2014年7月18日金曜日

題「雨」 歌会たかまがはら6月号

歌会たかまがはらさんで、2014年6月号「雨」というお題で
短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

真夜中の雨の街路を駆け抜けるエッジの利いた被害妄想
(山本左足さん )

あすも雨と信じて眠るこの雨はおれの何かをたくましくしろ
(たきおとさん)

瑞々しいネガティヴさ!
鈍重な空気の雨の中で自己内部へ向かう
鋭利な気持ちが突き刺さります。すごいよなあ。


自分は下記を投稿。まあ、採用されませんでした。
もう少し何とかせんとですね。

土砂降りの雨雨雨の黒い町血走った目であなたを探す

どうせなら私のものになっちまえ二人を囲う透明な傘

否定する重たい頭もたげては今日も雨だと嘘を騙って

2014年7月11日金曜日

2014年6月の短歌 かすてらが好き

風薫る五月は私を揺さぶって揺さぶりまくって疚しさ残す

強がると折れやすいのは知っているプラスチックのフォークみたいに

しね、なんてかすてらみたく軽やかに言う君が好きかすてらが好き

生理用衛生綿を持たされる優しい人はレバーがきらい

最初から完璧なんていい子でも壊れる術は誰でも同じ

全身が豆腐になってしまえれば崩れてくこと楽しめるのに

愛し方学ぶよりまず朝起きてあんじょうな生き方をしようか

だれの死も寄りそえばこそなまぐさいまんまんちゃんと泥の上にて

お前らが望むものならくれてやるだから私を望ませてくれ

娘たちシロツメクサの輪を作り首を括れば歌う口草

二回目のHelloWorld滲んでく静かな朝に雨が降ってる

齧り付く歯型の残るラムチョップ早くも夢に閉じ込められて

チェルシーの中身は僕が溶かすから花模様全部黒塗りにして

2014年7月4日金曜日

題詠blog2014の事(4)

031:栗
栗の花白髪太夫の連弾に夏の日陰の遠い日を請う

032:叩
求めれば叩けばさらば開かれん予定調和は今は要らない

033:連絡
ぼろぼろの藁半紙には滲んでる連絡網の初恋の跡

034:由
これは空そしたらこれは海の色君の選んだ自由は青く

035:因
すべからく肯定される因果律それでも恋はしなくてもいい

036:ふわり
生白い金魚の腹の膨らみをふうわりとした手足を愛す

037:宴
青色の太陽光は刺していく宴もたけなわ手の鳴る方へ

038:華
唇を真一文字にしたままで気持ちは昇華してくのでしょう

039:鮭
冬枯れにサーモンピンク眩しくて市場に少年少女は駆ける

040:跡
乱暴に君の痕跡飛ばしてく強く吹く風誰かの叫び