061:倉
悩ましく選ぶことだけ強いられる餡蜜添えし抹茶か小倉
062:ショー
捨てられた子猫みたいとベン・ウィショー語る口には甘い業苦を
063:院
分解をされてナース指先辿ってくかつて私であった青い血
064:妖
終電を逃し夜だけ生き延びる喉の渇きを知らぬ生き物
065:砲
花火音遠くに残る静寂に砲撃戦のかつてを想う
066:浸
厚揚げとキャベツ煮びたし格安でやさしさなんかに優劣がつく
067:手帳
たわむれに手帳ちぎって描かれた蛙未だに捨てられもせず
068:沼
マヴェ沼にスパナチュシャロ沼溺れゆく我に新たな処刑人沼
069:排
毎日を育ては千切る苛立ちは排水溝の目皿に溜まる
070:しっとり
雨の日に濡れたシーツは張り付いて日本全国灰色となれ
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