2014年11月28日金曜日

2014年10月の短歌(2) ファイナルガール 

真っ白の皿を汚して飯を食う青い舌先野蛮を愛せ

石けんを使わぬシャワーで流される汚れたわたしは何なんだろう

要するにゾンビ映画で逃げ惑うファイナルガール目指したいのよ

柔らかな空気の穴を膨らます君の作ったまずいケーキは

ゼットンが怖くて背けたその記憶負けたまんまの光の戦士

その指を魚介の類に例えては不味そうなんて考えている

ぶるぶるとお鍋の中で沸いていくお豆腐みたいな怒りを抱え

セクシーな金髪美女に誘われ今宵も安い酒を買い込む

おそうしき、小さき声でつぶやかれ砂庭埋まる壊れた玩具

新しいワンピース着て良く爆ぜる栗の鎧を脱がしにいこう

恩知らず恥知らずだと笑う人よけて傾く裸足の廊下

ぼんやりと人を蔑む程度には醜くっても開く饗宴

終電車サラリーマンの胸元に温まってく少年ジャンプ

ぶつ真似はしなくてもいい背中から滑る円力防水ジャミラ

生きたくてもがいた末に死にたくて結局きょうも空が紺色

誰にでも優しいんだと知っている馬鹿だと言うとそうねと笑う

週末に空から天使落ちてきてついでに私を潰してみろよ


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