2015年2月13日金曜日

2015年1月の短歌 ヒト型クッキー

きれいなの汚いの全部詰め込んでどこか遠くへいけるだろうか

新しい使徒の形を考えて君の笑顔を得たいと思う

外国の解凍肉の赤黒さ病葉のごと蝕んでいく

私にも傷を付けてと寄ってきてすり抜けていくずるい人たち

包丁で刺されたらきっと痛いねと深夜プロレス君と見ている

特定の人の気持ちがほしくって攫われすぎるピーチ姫たち

突風の先に揺れては干からびてあらゆるものが弛緩していく

いたらないところばかりが多すぎる不良品なら返品してる

不穏のふ不可逆圧縮吹雪のふファーストキッスうふふふふふふ

口にする容易な情緒不安定死んだら死んだでかなしいものね

ごめんなさいあたまがわるくてわかりません拒絶はどこへ行けるのだろう

わずかでもいいから好きだと言ってくれたまには揺れて生きてもみたい

コーヒーのカップに残る口紅が怪獣みたい破壊含んで

マニキュアは人差し指から剥げていく事情を知らぬお前に語る

一時間コーヒー黒い表面を見つめたままであなたは泣いた

幸せと言ってみやがれ売られゆく仔牛の暗い瞳見ながら

都合よくぜんぶ隠してしまいましょ雪は静かにだれか泣かして

どうしても優しいものに触れたくてたくさん焼こうヒト型クッキー

ご立派な御題目ほらてきめんだ僕ら私ら飢えている生

さよならや別れようとかその口で言っても多分甘く聞こえる

左手の古いかさぶた剥いでいる神話みたいなご都合主義で


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