2015年3月27日金曜日

2015年2月の短歌 美しきパフェ

泡立った波の寄せ間に笑うからあなた専用詩人でいよう(#短詩の風

駅前の宗教勧誘罵倒して天国じみた地獄は近く(場末サーガ)

老人は工事現場で説教を天国じみた地獄は近く(場末サーガ)

朝キャバの呼び込みの声猫の声天国じみた地獄は近く(場末サーガ)

夜は来る(地球四十六億年ぶんの)不安を引き連れてきて

目印を持たぬ町角人いきれ消え入りそうな淋しい迷子

愛だとかわからないから殴り出すしょうがないから涙を流す

真夜中に男の背中見る代わり炭酸水のあぶくを消して

丸ノ内女子アナみたいなOLの合間を縫って走る黒犬

煮えたぎるお鍋の中へ沈ませる硬い暗色女々しき自分

隣から聞こえる懐かしい声のギター音曲揺らす杯

よるのまちだれかがそばにいなくてもあるいていけるここちよいまち

毒喰わば皿までという過激さで一緒に行こうたのしい地獄

少しずつ毎日ほんの少しずつ死に近づいて取り戻す血肉

君想う先に煌めくどぶねずみ色した僕の自刃欲求

遅くまで寝過ぎた挙句夢を見た。鳥肌実が慰め役の。

枯れ枝を折ってやろうかこの指で禍々しくも光る太陽

人間の蒸せ返る群れ追いやられ夜のファミレス美しきパフェ

2015年3月13日金曜日

テーマ「猫」 うたらば第74回

うたらばさんで、「猫」というテーマで
短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

誰からも同意を得たくない気分 全ての問いににゃーと答えよ
(じゃこさん)

猫になるその日がきたら真っ白な猫で何度もきみを横切る
(星乃咲月さん)

キッチンに君のかたちの穴があり仔猫と僕はそこで眠った
(木下龍也さん)

飼ったこともない猫に名をつけている天気予報に桜はあふれ
(虫武一俊さん)


Twitterで短歌投稿をしているとお名前を見受ける
機会の多い方々は、つまりは実力のある方、ということです。
概念として、生命体として、目の前の猫はこんなに愛おしい。
そうしてどうにも淋しい。毛皮の匂いまで感じられそうです。


自分は下記を投稿。どうにも作れず過去歌投稿。で、不採用。

願わくは場末の飲み屋で愛されて目当てにされる猫になりたい

淋しさは発情中の猫を呼ぶ誰かどうにか私を抱いて

だれにでも気があるようなふりをして猫しか見てないきみがきらいだ

2015年3月6日金曜日

題詠blog2015の事(1)

そもそも何故、BLOGをしているかというと、題詠blogをやりたかったからです。
しかしながらBloggerにはトラックバック機能がなかった、と。
ルールを無視するのも恐縮なんですが、
今年も題詠に沿い自己満足に作成を進めて参ります。

001:呼
誰でもいい何でもいいから助けてとあなたのことを必死に呼んだ

002:急
急かされて上り詰めたら仕舞いですナツメ電球灯りは暗い

003:要
物語主要人物にはいない二人でそっと悪事をしよう

004:栄
生ぬるい虚栄を見せて粘ってよぎらぎら光る欲情の町

005:中心
この狭い世界の中心にて叫ぶくろねこにゃんにゃんにゃんにゃにゃん

006:婦
手袋を私に向かって投げつける覚悟もなしに御婦人方は

007:度
接触を避けた会話は続かずに部屋の温度は上がり続ける

008:ジャム
憧れは無尽にあってコケモモのジャム瓶ひとつ魔法をかけて

009:異
カレーにはソースコロッケには醤油異星人との愉快生活

010:玉
秘密なら内緒と甘い声はするビー玉みたく黒目は光り