2015年5月8日金曜日

過去の短歌 窓窓窓に

冷たさも固さも黒さも知っている毒素混じりの可愛い恋よ

青空の端を切り裂き飛行機の金属部品がギラギラ光る

ギシャギシャと油が足りぬ自転車に少年Aの独り言聞く

濃色のコート蹴飛ばす風が吹く悪魔みたいな形していて

雷と雨風渇き夜会巻き生々しいほど金具が光る

世の中は満ち足りて鮫泳ぎ出す遠い水族館の斑点

黒服の休憩発光白いシャツ客引き避けて行け行け空虚

電球の切れかけ点滅信号と頭痛のシンクロ眠れない夜

ビルの窓反射していく電気車両窓窓窓に自分が映る

戸締りが永遠に終わらぬ夢を見る砂を吐かない貝に似た朝

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