日当たりの良いベランダに枯れていく色の分からぬサボテンの花
舐めとってファンデーションの味見して汗で混じれば情欲になる
茎製の小さな檻を作り出しこぼれる花はふにゃふにゃ笑う
贅沢は尽くし尽くして欲を言う透明な犬飼ってみたいの
水底の深い緑が恐ろしい巨大な臓腑ただ一人きり
細い首太陽からも隠したい知っているのは私だけでいい
歌ごえははるかはるかに伸びていく鯨になって壊す太陽
ここに居て良いよの許可が欲しいです煉瓦の家を積み上げるから
生き物としての毎日過ぎていき生野菜サラダ雑草の味
順繰りに割れた風船ひけらかす夏はいくらも閉じてしまうよ
傘の骨にわかたわんで折れやすく小さなテロル台風のあと
均衡の取れた和菓子を食んでいる暴君のごと溺れる夏は
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