2015年7月3日金曜日

2015年6月の短歌(1) 殴るのほかに

心臓はうね回る蛇、何もかも犠牲にするさその悔いのため

こんなにさ梅雨の余白は淋しくて残酷残酷ぐるぐるまわる

10等の星に名前をつけてやる過去や誰かを否定はしない

汚される覚悟もないで鏡割る吐き気するほど優美な彼方

灰色の鱗きらめき雨は降る弾かれるほど悲しくもなる

新しい選択肢には加えよう殴るのほかに愛すの項を

唇の傷口はまだ塞がらず染みる塩気の強い愛情

大量に耳に流し込むほど出る涙わたしのことは放っておいて

バッテンの数はみんなで幾つかな肯定の末終わらない宵

万人が認める夜だつばめいろどうしようもない事をしようよ

すり鉢の中で小さくなっていく白胡麻のよう水曜のぼく

心臓は狙い定めて貫かれ空っぽ今日も飴玉を噛む

席譲る他人見かけて溶かされる母が自分を産んだ年頃

半分こ白身魚のフライから淋しさとかも溢れ出してる

0 件のコメント:

コメントを投稿