2015年8月28日金曜日

2015年7月の短歌(2) サングリア

温かい黄色い毛並の犬っころ欲しがるだけの淋しんぼたち

雨が降る嘘つきみたいな陽気さであんたは傘をくるくる回す

あぜ道をどれだけ早く走れれば台風の目になれるのだろう

祈らせてどうか神様仏様信じてなんかいないけれども

選択肢だらけの街を通過して可哀想な人誰かを請うて

絶対は赤くえぐれて跡残し頭の中の野卑をぶちこむ

臆病な自尊心だと笑ってる嫌なら全部壊してしまえ

もう少しだけでいいからだまってて聞こえない声消えない罵倒

頭ならじゅうぶんおかしい知ってるよ猫のたくさんいる町で死ぬ

サングリアオレンジ壊れ物のよう赤紫の腕の手のあと

がりがりの背中は揺れる爪を切る生きてるだけで上々だとも

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