2015年10月2日金曜日

題「ホーム」 歌会たかまがはら9月号

歌会たかまがはらさんで、2015年9月号「ホーム」というお題で
短歌募集をされていました。採用歌で気になったものをご紹介。

動き出す車窓はホームでタバコを吸う女をすぐに置き去りにした
(工藤吉生さん)

段々と家具が揃ってだんだんと僕の部屋ではなくなってゆく
(牛隆佑さん)

ホームレスの人が何かを呟いた。俺にではないことを願った
(飯田和馬さん)


温かな家庭を描くと思いきや、この切れ味。
家と職場の往復である駅もある意味ホームなんですよね。
このお題は家、じゃないところが肝で、突き詰めてみると面白い。

自分は下記を投稿。新しいのは作れなくなってきた。
即詠の過去短歌ばかりになっている。個人的に好きなのは多いけれど。

週末の電車はいつも遅れてて私は家にたどり着けない

帰る家無いと応えてかたつむり嘘には嘘を抱く君がいる

一卵性双生児みたく抱き合って死ねたら次は家族になろう

じゃあね、って鶯谷の駅ホーム並ぶ人たち人形の顔

駅ホーム先頭で待つ人たちへ墨黒の羽背中に生えて

ご機嫌な青年の歌響く夜、駅のホームはダンスホールだ



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