2015年11月13日金曜日

2015年10月の短歌(1) イマジナリーフレンド

都合よく愛想笑いを振りまくよカスミソウなら足りないのだと

祝福をしてよ拍手も喝采に腕がもげるほど掴んで逃げて

乾かせば何もかも同じ砂になる会えないからの妄想は揺れ

イマジナリーフレンドふたりぼっちでのうるさく過ごす夜の憂鬱

信頼の形は甘辛醤油味今日は玉子を崩してもいい

水星と冥王星の違いすら都市はわからず眠らないまま

酒に酔い煮込み料理を延々と作り続けて笑う休日

始発にはまだ早い駅座り込むかすか聞こえる母親の声

自主的に与えることが可能なの赤青黄いろ綺麗に痛む

石けんの泡ふわふわに手を洗うまともに生きる自覚がほしい

もう少し粘ってみればあっさりと跪いてもやらなくもない

前提にあるものとして眼球は唯一舐める為の臓器で

明るくも毎日小さく死に向かう誰かをきっと捕まえるから

0 件のコメント:

コメントを投稿