2016年2月12日金曜日

2016年1月の短歌(1) 祥月命日


明らかに不幸になれる例として君の代わりに死ねそうなこと

今すぐに死んだら悲しい人もいて祥月命日選ぶやましさ

行けばいい酒と詩集を詰め込んで雪しか見えぬ電車に乗って

傷だとか跡を残してあげたくてひらひら揺れる首の三角

牛乳に睡眠薬の砂糖入れ淋しい夢に飢えきる前に

潰し合うヨソのお家の死因たち干し餅にでもして食っちまえ

逃げ場だけ残して触れるこれ以上知ったら離れられなくなるし

安物の封筒開けてぐちゃぐちゃに一枚余分の便箋壊す

最後まで嘘つきでいて地獄でも天国だって言っちゃっていて

まだ白い産毛の光る背を向ける肩甲骨に見えない翼

週末はこれから好きになる人を探せるように自分を探す

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