2016年2月19日金曜日

2016年1月の短歌(2) 保証人欄


チョコチップクッキーまみれ指の味発狂思考に足りない刺激

魂の重さの分のキャラメルを頬張りながら雪道を行く

言い訳を100パターンは用意して正しさをまだ信じていたい

なけなしの卑屈抱えて時を乞う露悪するほど愛しく思え

飲み込んだ言葉胃の腑を焼いていく甘苦しいだけ熱を絶てない

誠実で時々頭が悪いとこ全部合わせて好きだったんだ

何もかも暴力的に押し流しいっそ奈落へ落ちて行こうか

寄る辺ない保証人欄空きのまま角砂糖ただ溶けていくのみ

情交を果たさぬうちに流されるかつて一部であった青い血

痛みまで愛せと記憶は語らって音階みたいな叫びを上げる

嘆けとて余白の目立つ書類たち紙飛行機にし消えてしまえよ

想像の見えない海に潜りこむ世界にたった一人の呼吸

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