2016年2月26日金曜日

2016年1月の短歌(3) デルモンテトマトジュース



病的に目出度い頭で考えるただひと匙の不仕合せごと

心身の健康なほど凪いだ空なんであなたが泣くのだろうか

数値化のできないことで責められるあの日あの時何故キスしたか

与えられ慣れ過ぎている腕を編み勝者と敗者のお話をして

脆弱を言葉にすれば壁になり強い自分を崩してくだけ

葡萄酒で俄かの暖を取るようにお仕舞いでしょう我等このまま

どうなってもいいような夜、冬の町、傷が出来ては、治らずに、雪

キスをして君が毎日痛がった虫歯移ってしまえばいいよ

デルモンテトマトジュースで作ることレシピ通りの媚びた血液

次の日もその次の日もその次も死んだ目をして我等は笑う

ただ単に記号化されて食べられて消費されてくおんなのこ達

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