2016年3月11日金曜日

2016年2月の短歌(1) カリカリベーコン


湿り気の強い夜越え朝が来るカリカリベーコン玉子を添えて

口に出すだけの事柄まだら柄わたしの孤独はわたしのものだ

罪悪のにおいをつけて走り出す止まる即ち老いる、否々

自惚れを許してほしい少しくらい弱さを見せる人を見つけて

人と猫、花とじょうろの間に立ってそういう愛も美しいから

ささやかに命いのちの連続へ小さい口で応じる強さ

鳥小屋の孔雀は眠る嵐の日ゆたり虹色羽根を刻んで

鮮やかな終わりを見せて消えていく淋しいなんて嘘つく花火

ゆすらうめあぶく菜の花紅の花孤独な理由を数えるかわり

何かしら嘘をつかなきゃ止まれない街灯に沿う回遊魚たち

晴天の下に震える万国旗きょうは死ぬのにもってこいの日

夜遅く仕事のことを考えてレンジの中でポップコーンは

0 件のコメント:

コメントを投稿