2016年4月1日金曜日

2016年2月の短歌(2) 姫と王子を


セックスをしよう童話の世界から姫と王子を亡き者にして

空っぽの重たい頭持ち上げて真正面から臨む激情

浅はかな私の世界の中心を誰かにしたいそんな週末

星の降る夜道に吼える虎なので皮肉を全て噛み切ってやる

選ばれぬように身動ぎ縮こまる砂ばかり噛む貝ですらない

平成ももはや三十路を待ちわびるノストラダムスの裏切り者め

飴玉のように名前を転がして虫歯になりそうどこもかしこも

好きだって肯定だけで許されて悪いこと全部否定するだけ

金網を撫でて傘先研ぎながら走る影すらにじむ後悔

春が来てむしる花びら綺麗でしょう重たいだけの依存のようで

眠れない星たちどうか落ちないで祈りは雨の太鼓に消える

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