2016年4月8日金曜日

2016年2月の短歌(3) コブサラダ


欲望の強いばかりが超過して君をいつしか潰すのだろう

顔料の代わりに飾る花の色きみの代わりに飲んだ毒液

桃色の淋しがりたち消えていく芽吹く季節へ欲を孕んで

コブサラダガラス皿の上装って冷たいなんてあなたが言うか

見も知らぬだれかの沈む湖を自分の中に育てゆく春 #短詩の風

都合よく甘口カレーを作りなさい溶けて崩れた欲を煮立てて

真ん丸い何て月だよ悲しいね通りを幾つも間違えている

八百字詰めの原稿用紙より恋文よりも短い劣情

喧騒と光る街並み逃げ始め求愛だけをしている虫だ

刺すために研がれる刃物、柔らかく刺されるために鍛える心

運命は多肉植物然とした態度で水気多めで頼む

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