2016年4月15日金曜日

過去の短歌 街宣車

猫背気味、文学少年撫でる背の箔押し古く呪いを乞う

性愛の対象として女落ち男震えて幕は降りたり

植え込みのパンジーの顔思慮見えず春はまだまだ先だというのに

中吊りの政経記事の裏側に少女団淫らに微笑むも

焼き蕎麦に玉子をおとすくらいの贅沢を許し本日は雪

新しい礎に流れやわらかくコンクリートの匂いは辛し

暖かな日にもうひとつ増す重さ無一物への憧れ尽きず

街宣車黒塗り光り打つ鼓動サンガツトオカは冷えて晴れたよ

虫籠を持ちて出でたる少年の残像青く眼底を焼く

「月が綺麗」「死んでも良いわ」と訳されて我が情動は醜く零れ

0 件のコメント:

コメントを投稿