2016年5月13日金曜日

2016年3月の短歌(2) 脳内会議

太陽になり得るような人もいて際立つ影の美しいこと

酒注ぐ器はすべて欠けているこんな夜でも一人で迷子

想像のしやすい地獄を覚えとく脳内会議の窓際の場所

わかりやすく黄色い色の幸福を壊してみたくて塗りたくる黒

語り合う夢の温度が違うだけ受ける追い風強く、強くて

鳴るはずのない番号の着信音変え一人遊び上手に下手に

ピクニック行くことないけどでもきっと陽にサンドウィッチきれいでしょうね

そういうの報いと言って否定する赤い太陽眼裏焼いて

この度は妥協ばかりでごめんなさい多分絶対すっごく好きよ

ははおやはわたしのことをまもるけどわたしのちちをころしはしない

電源を落として触れる詰めた襟犠牲者づらを悼んであげる

憂鬱は甘い匂いを漂わせ油断してるとほら、食われるぞ

名を呼んでまぶたを伏せるその余白世界は今日も更新される

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