2016年8月26日金曜日

2016年7月の短歌(2) デビルズフードケーキ

知らぬ町道に迷って会う猫がなぜか全員白黒模様

重たさは甘くて頭の悪い味デビルズフードケーキのように

箱入りのレモンを買って皮を剥くそういう日々を愛せよ人め

強すぎるヒーローみたいな人になる子供の夢は途方に暮れる

アメスピと第二関節急き立てて知らない種類の夏を待ってる

人のいない油のような海にいて溺れてしまいたいだけの恋

惨めって舌噛む余生日々の泡多くを望めば壊れゆくこと

かさぶたを剥いで噴き出す新鮮な血液然としていてことば

饐えている揺らぐ自分の成れの果て誰かのものになれないのかと

正しさを羨んでいるあと少し欲しがり屋なら得られていたか

0 件のコメント:

コメントを投稿