2016年9月30日金曜日

2016年8月の短歌(1) タッパーの数

葬列の影は長くて踏み出せずやたらうるさい蝉の鳴き声

憧れは着たきり雀の切望で永遠であるさよならパルコ

ベランダで干からびて死ぬ蝉のごと一所懸命愛をばら撒け

劣るのはどこにでもある感情で好意はとても醜い、きっと

冷蔵庫内タッパーの数増やし強制的な日常を追う

週末にひとつ花束買うように心ざらつき撫でる深切

道に咲く花々吐瀉物たかる鳩わたしの願いは生きていくこと

一つ嘘吐いたら残りは真実とゲーム思考で過ぎてく惰性

底にある蛙帝国茹で上げて立派な私を褒めてください

ベランダにカーテン干して寝転んで出来れば猫を愛でていたい日

うちに来てグラタン作ってくれるなら好きと言わずに終わってもいい

生きてても捨てたいものが多過ぎる世界に占める僕の割合

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