2016年10月21日金曜日

2016年8月の短歌(3) 光るレタスと魚

望むらくはダリル・ハンナの美しい前転倒立回転飛びに

壊しても尽くしてもなおまだ足りぬにんげん一人幸せになる

LED電球だらけの街なかで夜は絶滅したのかも、ねえ

狂うほど頭の良すぎる友達と見上げた空に落ちていく月

ペパミント茶葉はまずくて匂い立ち吐き気どころか思考を止める

きっと今思ってるような底よりも深いところにいるやも知れぬ

手を引いて連れてく菜の花畑にも暗い土色消えない自損

えげつない角度で曲がる月を見る私はここで笑ってやってる

強欲を押し付けて愛と呼称するそんなものなら一生いらない

あわよくば甘い死、よしんば怠惰の腐乱にて、高層ビルの上に赤い灯

真夜中のスーパーマーケットへ行こう光るレタスと魚を見よう

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