2016年12月2日金曜日

2016年10月の短歌(1) 祖先の努力

満月はマリービスケットのお味新月のたび君に吐く嘘

欲しい物要らない物を書き上げて全部あんたで上書きをする

音楽のドレミファソラシド例えばさ声を分類しないで今は

陸上で息ができない気がしてて祖先の努力恨んでみたり

悲しさや苦しい細かい感情は誰も開けない冷蔵庫の中

うつくしい露悪と醜いたしなみと私が選べたあらゆることを

全・肯定、私あたしに我輩に第三者的期待をかける

怖いの、と怯えた目をして見る魚、あるいは神と誤ってた日

動脈の上に匂いを積み重ね畜生なりのおめかしをする

炭酸の抜け切るコーラ片腕に耐えられぬ重さだれかの呼吸

バラバラのわたしきちんと纏まった私まだまだ親指しゃぶる

酔い口に言葉の価値を知るからに絶対言えないただ一言が

長袖の長さが足りず笑い合うそういう風に生きあえている

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