2017年1月20日金曜日

2016年12月の短歌 順列に並ぶ

苦しさと悪意をともに持て余す引き千切れるのは私かあたし

傷だってお気に入りなら許されるそういう風に生きていきたい

紅を差し吐瀉物だらけの町を往く子供みたいに雑に抱かれに

耐えられるまだ耐えられる甘えたの代わりばんこに消える足音

何度目の過去にいったいなるだろう目の前全部きみになるだけ

順列に並ぶイチョウは空区切りどうにもならぬ冬がまた来た

誰も皆幸せになる結末を望んだだけの不幸せ者

ゴミ溜めになれればいいよ欲しがって要らないものを私にください

新しい元素を話し始めてるなまぬるい熱を一息に飲み

感情と理性パターン組み合わせ幾ら試せば許せるだろう

そうやって寄り添うふりで理解する価値とは常に欲の上だと

2017年1月13日金曜日

テーマ「先生」 うたらば第104回

たらばさんで、「先生」というテーマで短歌募集をされていました。
採用歌で気になったものをご紹介。

カエサルは何度でも死ぬ世界史の教師の声でもう一度死ぬ
(大橋春人さん)

ゴリラとふあだ名の教師は胸の花ふるはすやうに校歌うたへり
(泳二さん)

学校の先生って尊敬と侮蔑の範囲が広かったけれど
共通しているのは、子供たちより先に生きた大人がいるという事。
十代の恥ずかしい全能感を喚起されてしまう。

自分は下記を投稿。

なめらかな文字に記され恩師の死手向ける冬の背中の寒さ

安っぽい証書に太く記される仰げば憎し我が師の恩を

息を吸うように嘘つく人といて愛情なんて教えてもらう

2017年1月6日金曜日

過去の短歌 砂絵を描く

ゆるす、ゆるさない、ゆるすか、ゆるさない、鮮血の様に花びら散って

どうしようもなく淋しいよだからほらお前の唾で砂絵を描く

目茶苦茶にしたいさせたいしてもいい言葉の刃空回りする

足元へ許しを乞う視線逸らしお願いだからわたしを見てよ

固執妄執の激しさ知らないで笑顔振り撒くお前が嫌い

加速する目の前の世間だけやたら猫舌の人追い回してる

服脱がす誰かに呪いが届くよう可愛い柄のネクタイ選ぶ

仕事場の高層ビルの夜景から見るもの全部滅びればいい

毒青いその舌の根が乾くころ思い出させてやる後悔を

嘘つきは舌を抜かれるエトセトラ与える罰を考えている