2017年3月31日金曜日

2017年2月の短歌(2) 虫の名前

借りてきた猫の手届く範囲さえ流しの下に潜む爆弾

慈しみ優しさ丸い気持ちたち箱詰めにして潰す習性

距離感は恋とか愛の境目かあるいは孤独、都合だけなら #短詩の風

さみしいか言葉よ言葉貪欲に外階段の段差を鳴らす

年取って死ぬの分かっているんだし濃縮還元してよ人生

悲しみや淋しさほどに激しくもない関係を終わらせている

ああ下弦月よ私の生活を身損ねてまで小さくなるか

好きだった虫の名前ももう言えずそのうち破裂するのだきみは

ほおずきの実鳴らす音をきしませて心に早く熱をください

降りもしない知らぬ人々住む駅に乱反射するパチ屋の明かり

非力でも死ぬ気で殴れば痛いのと弱ぶるように見せる暴力

正解がわからないから逃げ出すかそんな弱さを許してくれよ

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