2018年2月23日金曜日

2017年秋くらいの短歌(1) 夜更けのコーラ

暖房の効かない部屋と詩を読んで頬をゆっくり撫でる静寂

もう二度と会えない人に教わった言葉聞くたびうすらさびしい

出来るだけ忘れずにいてほしいから悪い思い出ばっかり作る

単純な日々言葉たちことことに煮え立つジャムの湯気で曇って

淋しいと言葉に出して繰り返すドミノ倒し今日明日その先

ショーウィンドー越しに眺める人々へいろんな不幸背負わせてみる

抽斗の多くないこと一人きり得意になれず夜更けのコーラ

謝罪ってそれも残酷すぎるだろうそうして削除される私は

吹き荒れる嵐に慣れて左手のささくればかり気にして彼岸

繰り返すことに毎回吐き気してさびしくなってまた繰り返す

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