2018年4月13日金曜日

2018年2月くらいの短歌(1) 石塔

人間に向く向かないは置いといて文旦の皮突き通す指

げ、ん、じ、つ、とあんたは言うが目の前で夢みたいなことひたすら言って

何がしか運命だとかまじないを信じられるほど可愛くはない

愛される花のすべてをへし折って深爪だらけの君に渡そう

引き鉄を引く指曲げて口当てる罵倒聞こえぬふりをしている

眠れない夜に数える角砂糖紅茶に混ぜて忘れろ全部

石塔をハンマーで折る、いつだって自傷みたいな恋をしている

酷いこと悲しいことに耐え切れずハッピーエンドの矯正をする

生きている実感やたら欲しくって肺に冷たい空気を入れた

大人だし口先で甘い言葉吐く腹の中身はぐちゃぐちゃにして

まっすぐな形憧れ弧を描き落ちても正しい矢印のまま

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