2015年8月7日金曜日

2015年7月の短歌(1) 指切りげんまん

欲望は箪笥に全部詰め込んで衣替えまで見ない振りする

嘘をつく容易なことで騙し合う傷をつけない愛とは何か

ずるさより可愛さだけが欲しくってぐるぐる回す透明な傘

魔法陣作る間も無く出る煙こんなに容易に心は枯れて

今すぐに死んでしまいたくなるような群青深い夜の奥底

週末の電車はいつも遅れてて私は家にたどり着けない

灰色の風は強がり押し上げる隙間を塞ぐだけのこの身を

綻びてしまうくらいのお約束呪いをかける指切りげんまん

十字路で悪魔と契約してもまだあなたのそばにいたいと思う

新しい生き物になる何もかも許せるような生き物になる

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