朽ちかけの水族館の水槽の岩陰にいる何かになりたい
眠れない夜に固まる色々をホットミルクのどぶに沈めた
生まれたての概念みたいな優しさで毛玉だらけのセーターを抱く
祈りだと思うだれかの幸福と明日は晴れたら良いなと思う
日常のあらゆることに間に合わず窓際に差す光を見てる
騒いでも夜は深々やってくる見えない筈の手品師の首
帰るには道がまっすぐ過ぎるから自発的迷子発作上等
一人だと好きに途方に暮れられる近所の犬は遠くへ吠えて
久々に割った玉子が双子とか些細な運に生かされている
服を着て溺れるみたい優しいね好きじゃないのに好きとは言えず
人間と人間の区切り位置を指定、空白置いてならえ左へ
複数の大人は君を駄目にしてキャベツ畑で裸足で踊る
毎日を食い寝て働き酒を飲み非生産性糞袋ゆえ
終わりまで見きり走ればいいだけだ足はどうにも海を目指すが
永久に間に合わなかった感覚をレースカーテン光が透ける
記憶にある海は君彼彼女らといつか早朝悪さした海
自分には難し過ぎる人生が他所様の価値観の物差し
柔らかい言葉で丸め要点は眠たくなっちゃう自己責任論
柔らかい言葉で丸め要点は眠たくなっちゃう自己責任論