2022年1月7日金曜日

2021年10月~2021年12月くらいの短歌 仰いだ若木

夜になる雨は降る降る眠れずに頭痛ばかりが重く重たく

矛盾とは思って口にはしないけど死んでも忘れてほしくはないよ

選べたら記憶記憶の断片で公園ベンチで仰いだ若木

あなたにも私にもある心臓が今日に限ってやたらうるさい

人人がうらやましくて情けなく真夜中に作るポテトグラタン

こんなにも地球に優しい私です真夜中まよなか不審が通る

幸福が何であるかはわかってる浸透圧に負けた夜にて

手を置いたカウンターやたらピカピカでひとり勝手に遭難してる

想像のできる範囲で一生を終わらせそうでやたらむなしい

雨の日は見知った町も迷うから重い頭をずさんに上げる

いつだって世界の終わりがほしくって骨の外れた傘で待つ雨

関係に名前をつけるそれなりに優しいだけの上目遣いで

明日には変わるはずだろ雪も降る生き続ければ更新できる

優しいの浸透圧でだめになる一人でだって大丈夫だね