死にかけの蝉なみの生を駆け抜ける夜スニーカー鳴らす蛍光
人並みに生きる力を手に入れるコーヒーだけで眠れない夜
心臓の中に小さな海がありきれいな貝を見つけたりする
月曜を乗り切ったのでスーパーで3割引の鮨詰めを買う
夏が濃く例えば誰かのためになら消えちゃうなんて言えちゃう人ら
夏の日の夕方に食む西瓜ごと私を愛してくれぬか否か
無邪気さで付け入る隙をこじ開ける優しさずるさそういう酷さ
まっとうに恋とか愛をしてみても安全剃刀状の不安を
人生はまだまだ続く五枚切りパンの最後を頬張りながら
道端のガム、犬の糞、吐瀉物に更に加えて私の嗚咽
夢ならば口中で噛むガムみたく膨らませて割るそういう仕分け
天国は片手で数えるだけのこと濁った気持ち巻き添えにして
嫌なこと辛いこと怖いこと全部もっと過激なやり方で消す