ひとりだと室温だけが明らかで慎ましやかに進む曖昧
2019-092:約束
約束を破る時しか使われぬ反故の語源を思う路上に
2019-093:駐
憂鬱な夜に悪夢の地図が要る駐輪場の薄い白墨
2019-094:悟
生存は怠惰の経過だと悟りいっそ誰かに罰してほしい
2019-095:世間
だらしない私を反乱分子だと世間は安易に決めつけてくる
2019-096:撫
性癖は鼻血を舐めて掌の内側を撫でるそうやってただ
2019-097:
怨 怨むなら女に産んだ母親を女を殴る父親を責め
2019-098:萎
選べたらやり直せると思い込むもらった花は萎れるばかり
2019-099:隙
選べたらやり直せると思い込むもらった花は萎れるばかり
2019-099:隙
暴力は隙さえあれば機能する。空にふわふわ浮かぶ紋白
2019-100:皆
2019-100:皆
分かりやすい皮肉を込めて世界中大好き皆んな幸せになれ