2019年11月15日金曜日

2019年夏から秋ころの短歌

風向きやあざばかりの足お湯に入れ呪いは十年もすれば解ける

溜息の合間合間に息を吸う生きてるだけの空気人形

緞帳の夜がみるみる落ちてくる眠れないのは私だけじゃない

繰り返す悪い記憶と良い記憶どうか地獄で会えますように

何らかの条件付きで愛される野良犬になれば楽な毎日

じんせいの生の部分をやり抜いて人はどうして酒を飲むのか

感情の四隅が膿んで進めないそれでも平気な顔で暮らすの

眠れずに他人の声が聞きたくて周波数すら合わないラジオ

夜の川ラブホテルネオン反射して鮮やかな色はゆらゆら揺れる

人生で旨い酒飲む以外には楽しみもないそれで好しとす

容量が少なく過去が消えていく未来の入る隙間のために

ごみ箱のような味だと吐き捨てた安煙草さえ思い出になる

良いところ悪いところを数値化し結局何も選べずにいる

感情は行き場をなくしてしまいました梅雨のせいだと思いたいけど

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