2016年1月15日金曜日

2015年12月の短歌(1) 犬の幽霊


永遠を願え十三月が来て銀曜日には王様になる

外は雪、台所ではポトフ煮て泣きたくなるほど幸せでして

甘だるい生活感のない部屋で何も生まない火種を揺らし

寒いから淋しいからね弱いから酒を飲んでは無理やり眠る

冬が来てみんな冷たく壊れてる犬の幽霊ガラスのコップ

息を吸うように嘘つく人といて愛情なんて教えてもらう

やわらかい髪も心もないままに着飾るだけの貪欲の果て

愛情が深いからゆえよく焼いてお前の事を食ってしまうよ

晒される首は陶器の冷たさで冬と理屈を通したりする

エンドレスサマーだここに犬がいて舌を出しては蒸す劣情

真夜中にわかってしまうことだらけ走る誰かの響く靴音

漉き込んだ皮膚と感覚違うから猫舌なみにとがる腱あり


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