2016年12月9日金曜日

2016年10月の短歌(2) 履歴を消して

瞳孔の開き見てたらもう夜で気持ち全部もずさんでいいよ

万物の流転解脱や諸々の垣間にあなたがいるのが嫌だ

大人でも終わりの定義が分からない尊いものを分け合いながら

大小の肉体美観ゆるゆると価値観愛を露呈し尽くせ

白シャツの襟首汚れ生きているあんたが残した履歴を消して

言葉すらどうしようもなく吐き出せず、かみさま、なんて口にしてみる

君宛てにねだる言葉を吐けるなら泡になっても良いと思った

寿命って上手い事言うそんなにも愛でたき事に尽くす命を

コンピュータグラフィックス的完璧な日を容器の中うかがっている

蜂蜜にピーナッツバターあんずジャム過剰悪趣味あなたが好きだ

ゆきずりの町で目の合う野良猫と罵倒、私のためな気がして

産まれても孵らぬ卵を温めるどうして心なんかがあるのか

眠れずに羊数える七匹目あなたは眠れているのだろうね

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