2015年3月27日金曜日

2015年2月の短歌 美しきパフェ

泡立った波の寄せ間に笑うからあなた専用詩人でいよう(#短詩の風

駅前の宗教勧誘罵倒して天国じみた地獄は近く(場末サーガ)

老人は工事現場で説教を天国じみた地獄は近く(場末サーガ)

朝キャバの呼び込みの声猫の声天国じみた地獄は近く(場末サーガ)

夜は来る(地球四十六億年ぶんの)不安を引き連れてきて

目印を持たぬ町角人いきれ消え入りそうな淋しい迷子

愛だとかわからないから殴り出すしょうがないから涙を流す

真夜中に男の背中見る代わり炭酸水のあぶくを消して

丸ノ内女子アナみたいなOLの合間を縫って走る黒犬

煮えたぎるお鍋の中へ沈ませる硬い暗色女々しき自分

隣から聞こえる懐かしい声のギター音曲揺らす杯

よるのまちだれかがそばにいなくてもあるいていけるここちよいまち

毒喰わば皿までという過激さで一緒に行こうたのしい地獄

少しずつ毎日ほんの少しずつ死に近づいて取り戻す血肉

君想う先に煌めくどぶねずみ色した僕の自刃欲求

遅くまで寝過ぎた挙句夢を見た。鳥肌実が慰め役の。

枯れ枝を折ってやろうかこの指で禍々しくも光る太陽

人間の蒸せ返る群れ追いやられ夜のファミレス美しきパフェ

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