2014年9月12日金曜日

2014年8月の短歌 倍倍カロリー

正しさを主張する人怖い人誰かの弱さ認めない人

認識の違いだけでは重過ぎる鴉黙らす饒舌な酒

牛頭の父と女神の母のもとロックンロールを聞き分ける耳

クアトロのピザを頼んで残す二斤あなたとあなたの私の分の

汗をかく粘菌質の精神に殺人的に眩しい河原

蒸す夜に駄目だ駄目だと蛙鳴き殺す殺すと油蝉鳴く

ジリジリと濃縮還元される夏頭痛のように蝉の鳴き声

一緒、に、さ、誘う溺れる落ちていく銀色の鹿まばゆく熱帯

どうにでもなるくらい暑い夏が来る君と寂しさ忘れるほどの

双手にはラメ入りピンクフレンチの二丁拳銃ごとき暴挙を

バニラのせ倍倍カロリーハイカロリー幸福なんか安易で容易 

空回る速度を知って音が鳴る自分の正しさあなたの病 

こっそりと卑屈に怯え続けてる強く正しい女の人を 

覚悟とか一生かけても出来ないや秋味ビールのあぶくは琥珀 

好い人と悪い人なら極端で意地の悪さが好きか嫌いか 

目が合った気がした今日も殺し屋に狙われ怯え会社に行こう 

重たくてうるさいだけの頭ならいらないいらない捨ててしまおう 

沸くお湯に輪をかけ夜は重くなるこんな淋しいむらさきの渦 

願い事タイムマシンで過去へ行くそして私を抱きしめに行く

後悔をしたくなければ無視をする積み重ねてく不良債権 

ふるさとの字面の甘い優しさに騙されかけてまた齢踏む 

幾らでも叫ぶだけならしてやるさここは天国逃げ場のない地 

窓のない建物ばかりあふれててしがない野性すり減らしてる 

真昼間のアイスクリーム鉄の味愛の言葉じゃ許しはしない 

砂糖水みたいに安い嘘をつくピンクのカバは行進しない 

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