旅情など知る由もなしこぽぽぽと落ちるベトナムコーヒーの味
(#sandpitさんへ)
露出狂めいた夜半は過ぎていく理想の中の自分はどこだ
週末を無益に過ごす贅沢さカルボナーラはうどんで作る
償うと贖うなにも違わずに消毒液に哺乳瓶埋め
甘塩の鮭の肉から骨を抜く何かは何かを愛するという
耳の中垂らす唾液の海があり別れの度に消える潮騒
始発待ち靖国通り迂回する裸足の群れに私はいない
代替でいいと思った脱脂綿濡らす唾液はやたら甘くて
メロン食う歯型を残すオレンジに腐りかけてく純情少女
水族の生ぬるい足かぞえみる指の合間に目立つ水掻き
一生のうちまばたきで目を瞑るその数回を無限に愛す
何もかも分かってるって言わせたい赤い靴裏かかとを鳴らす
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