2014年12月5日金曜日

2014年11月の短歌 ベトナムコーヒー

同情の無神経さは軽薄でささくれるだけ心があれば

旅情など知る由もなしこぽぽぽと落ちるベトナムコーヒーの味
#sandpitさんへ

露出狂めいた夜半は過ぎていく理想の中の自分はどこだ

週末を無益に過ごす贅沢さカルボナーラはうどんで作る

償うと贖うなにも違わずに消毒液に哺乳瓶埋め

甘塩の鮭の肉から骨を抜く何かは何かを愛するという

耳の中垂らす唾液の海があり別れの度に消える潮騒

始発待ち靖国通り迂回する裸足の群れに私はいない

代替でいいと思った脱脂綿濡らす唾液はやたら甘くて

メロン食う歯型を残すオレンジに腐りかけてく純情少女

水族の生ぬるい足かぞえみる指の合間に目立つ水掻き

一生のうちまばたきで目を瞑るその数回を無限に愛す

何もかも分かってるって言わせたい赤い靴裏かかとを鳴らす

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