2017年3月17日金曜日

2017年2月の短歌(1) 春来やがれ

身体ならまだ痛みなんて感じるし生きてるだけの孤独中毒

整備さるる台所ゆえ立つ人の影おぞましき恋人の家

さみしいね冷凍の海老背わた抜く指の温度を奪って消える

安直な心理テストによりますとどうやらとっても不幸らしいよ

三枚におろしたはずの青魚ゴミ箱から目を光らして今

呪いって口に出したらダメってねあなたが好きだあなたが好きだ

早く春来やがれ花壇にいっぱいに紫黄色パンジー咲かせ

潮騒の音に他人の心音に馬鹿らしいほど安らいでいる

餌を得て喜ぶ舌見せ犬の日々尊厳だとか差異とは何か

後悔をさせてほしいよ猫背から骨張った手足震わせてさえ

壁薄く隣の人の生活にはみ出るような二人の時間

ねえ誰か呼んでみたくもなるような雪の向こうは何も見えない

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