2018年11月30日金曜日

2018年8月くらいの短歌 満願成就

八月の金曜最後なのだから名残の桃を買えばよかった
 
塗りたてのペンキの匂い夜が来て私のためのあなたを探す

すぼめると蕾のようなその口で満願成就の呪いを吐いて

嘘つきを積み重ねてやるジェンガだろう望めば全部崩してやろう

お互いに足りぬ過剰を持ち過ぎて傷になってるような歯車

湿りゆく布団の中で考える極楽地獄あわよくば、きみ

毎朝のパンの焼き色愚かしく愛おしいから生きてゆけるか

朝方のかわいい悪夢ことさらに一人であると突き付けている

過ぎていく花を全部を泥にするそれで一緒にいられるならば

青色に透けるキュラソーゼリーにて思い出補正に後悔を焼く

縦列に隊なす南極ペンギンの何番目かに化ける情動

伝説をとろかすほどの熱を持つ今日は全部を終わらしてやる

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