2019年10月25日金曜日

題詠blog2019の事(4)

2019-031:しっかり 
しっかりとした眉毛だけ覚えてる昔々の小さい恋の

2019-032:襟 
喪に服す襟元の染み白くなり彼岸と此岸、体液の故

2019-033:絞 
女との役割憎む雑巾をかたく絞れば滴る汚水

2019-034:唄 
裏声で歌え島唄千代八千代喉から祈り人生きるまで

2019-035:床 
朝焼けの色入る部屋磨かれた床に散らかる平日の死よ

2019-036:買い物
買い物のメモは途中で破り捨て肉のハナマサ依存生活

2019-037:概 
反抗を世間体には繰り返し幸福である概ね同意

2019-038:祖 
暴力と風呂で溺れて気は違い車轢かれた父祖を弔う

2019-039:すべて
きみのてにすべてあたえてしんぜようかわりにきみのきぼうをもらう

2019-040:染
髪の毛を染めて踵を高くするそういう鎧を必要とする

2019年9月27日金曜日

題詠blog2019の事(3)

2019-021:スタイル 
前世紀スタイルで征く大通り鱗のかわりに纏う脆弱

2019-022:酷 
やがて春いつものように残酷にきれいだけの別れを告げて

2019-023:あんぱん 
悪い夢だれの為とか悪いとかあんぱんまんのただの落書き

2019-024:猪 
たれは彼、猪突猛進良しとして引き返す度胸持たないことは

2019-025:系 
次は駅西口系統バスに乗るもう二度と来ない家の帰りに

2019-026:飢 
見た目には幸福満足然として飢えを見せないゆえに飢えてる

2019-027:関係 
つまらない関係性の終わりなど気にしてる暇はないのだ、進め

2019-028:校
天井に子供らの声はね返り下校音楽ただただ流れ

2019-029:歳 
この歳でその歳でってうるさいな人間いつかは死ぬから黙れ

2019-030:鉢
捨て鉢に心身を投げてしまえれば後悔しないしたかもしれない

2019年8月2日金曜日

題詠blog2019の事(2)

2019-011:元号 
逢引きの数をかぞえて元号を跨ぐそれだけ愛だか無駄か

2019-012:勤 
断れない状況をいかに作れるか人に憎まれ勤労を為す

2019-013:垣 
五歩先の垣根向こうに犬がいる名前も知らぬ友人として

2019-014:けんか 
生ぬるくけんかなど言いなさるなよ征服したいと正直に言え

2019-015:具 
言葉なぞ人がこさえた道具だろそれにどうして翻弄される

2019-016:マガジン 
ミスヤングマガジン海を背に腹に我らの夏を食い尽くしてく

2019-017:材
材料にお湯を加えて混ぜ合わせ今夜上等我等の風呂よ

2019-018:芋 
小学校授業で芋を掘ることがあるかないかで測る憧憬

2019-019:指輪
ぴかぴかに光る指輪が無くたって節の明るい人々の指

2019-020:仰
新しい種類の秘密を大仰に隠そうとして野暮におしまい

2019年7月5日金曜日

題詠blog2019の事(1)

2019-001:我 
贅沢を我儘を言えば積まれてく恋だか愛に応じましょうか

2019-002:歓 
蜘蛛の巣と空に溶けてく合歓の花憎いからゆえ思い出になる

2019-003:身 
爪の先髪の毛の先至るまで私の身体は私のものだ

2019-004:即 
激情と言って即ち私たちご都合主義に欲をぶつける

2019-005:簡単
これまでが記憶に歴史になっていく終わりが来るのは簡単なのに

2019-006:危 
好きな人嫌いな人を交差させ危なっかしい足取りで行く

2019-007:のんびり
のんびりを急かされるだけいやになる生きるのなんて短いだけで

2019-008:嫁 
着飾って夜叉が嫁入りなんていう紅の唇ころころ笑い

2019-009:飼
桃色の象を心に飼っていていつでも暴れる用意はしてる

2019-010:登
天辺を目指して登る途上線都合悪いこと見ないふりして

2019年3月22日金曜日

2019年冬ころの短歌

性格がすこぶる悪い、だから日々小さい嘘を吐いて騙って

さびしいし眠いしお腹もすいてるし満願飾の負を消すラーメン

雪が降る、ばいばい一月、そしてまた冷たくきれいな二月を迎え

雨の日に星を探さぬようなことどうせ全部はお決まりのこと

さみしくて眠れないのを繰り返す今日は生まれて何百回め

手を出してしまえばどうにでもなるか熟れゆくメロン状の感情

もういいし私の事は置いてって行って走って早く出てって

柔らかい存在を求め求められ喧嘩上等あまのじゃく故

反感も好意もすべて受け入れる二十歳の私と異なる私

幸せの絶対指標がわからないおいしいものを食べて眠って

後悔を燃やし黄色い火を見てる大したことは無いのだすべて