軽率に箱を開けては老いていくそういう種類の依存性だよ
約束はしない守れず飲み込んだ嘘の尖りは肋骨を刺す
半熟の目玉焼きなら飽きているハードボイルド生きてみたいし
悪い夢見ては忘れる彼岸にて震える指を千切りたくなる
貪欲になれたらいいさ甘栗の皮を剥くほど禿げるマニキュア
不器用と名前を付けて分けるだけヒト科ヒト族さびしがり属
水槽の金魚が溺れているところ見てみたいよねあたしは見たい
締め過ぎて鬱血してる指の先ほんとにいきることとはすてき
ひどいこと考えるとき木蓮の厚い花弁を裂いてしまえば
快、不快、誰かを呼んだ名前なら慈しみとかをまぶしてあげる
お祭りの派手な行列避け歩く日差しは誰にも等しく白い
喉奥で言葉を銃に変えたらねカルピスの海で溺死をしたい
休みなく夜の憂鬱積み上げてパンケーキみたくふわふわ重く
長すぎるスカート裾は膝隠す嗚呼あゝ恋とかどうするのだか
これまでの不謹慎から想像し信用ならない爪先の向き
2016年11月18日金曜日
2016年11月11日金曜日
2016年9月の短歌(1) 冷凍ピザを溶かす理由
二人だけで通じる名前で呼び合ってお墓の中で交わす約束
夜に降る希望は鈍く輝いて私を明日に生かしたりする
きれいだと汚れた手で言うごめんねと天秤にかけ残るさびしさ
夜に降る希望は鈍く輝いて私を明日に生かしたりする
きれいだと汚れた手で言うごめんねと天秤にかけ残るさびしさ
軽薄なひまわり黄色目を焼いて知らぬ誰かの思い出語る
水色のエナメルの爪夜光る両生類になれるつもりで
千一夜数えて眠る例えとか冗談だらけに過ぎる宴会
悪い方悪い方へと蛇は行くここより良いならどこへでも行く
つらいとか淋しいとかをささやいてバターコーヒー浮かぶ満月
強すぎる気持ちはたぶん恋じゃない煮立ったジャムの果実を潰す
舌の上慣らす軟膏罪悪の炎症に効く白い苦味よ
鳥として生まれさえずる籠の中ねがえば竜になれたとしても
夜きゅうに急にさびしくなっちまう冷凍ピザを溶かす理由は
不用意な発言をして嫌われる準備はいいかさあ始めよう
真夜中の布団の中で考えるどうして迷子になっているのか
道に吐く唾は汚く飛び散った冬は間も無く誰にでも来る
埋めるのが空腹なのか空虚かも分からないまま迎える夜明け
水色のエナメルの爪夜光る両生類になれるつもりで
千一夜数えて眠る例えとか冗談だらけに過ぎる宴会
悪い方悪い方へと蛇は行くここより良いならどこへでも行く
つらいとか淋しいとかをささやいてバターコーヒー浮かぶ満月
強すぎる気持ちはたぶん恋じゃない煮立ったジャムの果実を潰す
舌の上慣らす軟膏罪悪の炎症に効く白い苦味よ
鳥として生まれさえずる籠の中ねがえば竜になれたとしても
夜きゅうに急にさびしくなっちまう冷凍ピザを溶かす理由は
不用意な発言をして嫌われる準備はいいかさあ始めよう
真夜中の布団の中で考えるどうして迷子になっているのか
道に吐く唾は汚く飛び散った冬は間も無く誰にでも来る
埋めるのが空腹なのか空虚かも分からないまま迎える夜明け
2016年11月4日金曜日
題「曜日」 歌会たかまがはら9月号
歌会たかまがはらさんで、2016年9月「曜日」というお題で
短歌募集をされていました。
気になった短歌をご紹介。
木曜の夜に生理を終わらせて えらいでしょ、ってビールをなめる
全体が薄暗いのも寒いのもすべては今日が土曜だからだ
金曜日にくいつらいが連なって甘くて重いケーキになるよ
例えばの話をしては滑り行く淡い輪郭曜日のすきま
日曜の廃品回収甘い声どうかわたしを連れてってくれ
世の中の日曜の夜の死にたさを濃縮還元ジュースにしちゃえ
永遠を願え十三月が来て銀曜日には王様になる
日曜の朝から開ける白ワイン何ならみんな幸せになれ
個包装六片チーズのいずれかに仲間に入れてほしい週末
短歌募集をされていました。
気になった短歌をご紹介。
木曜の夜に生理を終わらせて えらいでしょ、ってビールをなめる
(腋の下舐め子ちゃんさん)
きみは鯵ぼくは鮫だと言う子らが泳いで渡る葉月水曜
(文車 雨さん)
全体が薄暗いのも寒いのもすべては今日が土曜だからだ
(Y川さん)
生物だから気候体調あらゆる事象に精神は影響するはずだけれど、
生物だから気候体調あらゆる事象に精神は影響するはずだけれど、
近代の持ち出した曜日って概念により一喜一憂するの滑稽。
個人によって色んな意味があって、想像が膨らみ過ぎる。
自分は下記を投稿。番組内採用ありがとうございました。
どうでも良い事ですが、私は甘いケーキが好きではありません。
金曜日にくいつらいが連なって甘くて重いケーキになるよ
例えばの話をしては滑り行く淡い輪郭曜日のすきま
日曜の廃品回収甘い声どうかわたしを連れてってくれ
世の中の日曜の夜の死にたさを濃縮還元ジュースにしちゃえ
永遠を願え十三月が来て銀曜日には王様になる
日曜の朝から開ける白ワイン何ならみんな幸せになれ
個包装六片チーズのいずれかに仲間に入れてほしい週末
2016年10月28日金曜日
雑記 リバーシブルリバース
※暗い。
ユミちゃんが亡くなった。
ユミちゃんは田舎の裕福な本家の子供である。
幼い頃、本家に行けば、ユミちゃんのおさがりが貰えるし、
おやつはあるし、あったかいし、動物がいるし、ユミちゃんと遊べる。
ユミちゃんが亡くなった。
ユミちゃんは田舎の裕福な本家の子供である。
幼い頃、本家に行けば、ユミちゃんのおさがりが貰えるし、
おやつはあるし、あったかいし、動物がいるし、ユミちゃんと遊べる。
男系一族の中で、少女はユミちゃんと私しかいなかった。
成長して雑誌を読むようになり、色んな服やブランド名を知った。
ユミちゃんは変わらず色んな服をくれる。ショップバッグに入れて。
私の修学旅行の時は、ブランドのリュックを貸してくれた。
成長して雑誌を読むようになり、色んな服やブランド名を知った。
ユミちゃんは変わらず色んな服をくれる。ショップバッグに入れて。
私の修学旅行の時は、ブランドのリュックを貸してくれた。
ユミちゃんはしっかり者、美人で社交的で頭も良く
小さい頃から夢を持ち、学校卒業後も夢を目指して勉強していた。
親戚の中ではユミちゃんが主役で、水準だった。
私が都心で総合職として働き出した折、ユミちゃんの結婚を知った。
ずっと目指していた職業は諦めて、婿をとって主婦になったらしい。
本家の家長は金喰い虫が片付いた、と嬉しそうに笑っていたそうだ。
その内、ユミちゃんが子供を出産したと聞いた。
教育ローン返済の目途がたって生活に余裕が出来た頃、
ユミちゃんの危篤連絡があり、その三日後に亡くなってしまった。
通夜の大きな会場に興奮して、ユミちゃんの子供は走り回っていた。
200人くらい来ていた弔問客は、皆が泣いていた。
死化粧の口紅は汚いオレンジで全く合っていなかった。
葬儀に出るのは仕事を理由に断った。
一時間に一本しかない帰りの新幹線を待ち、
駅で煙草を吸ってたら、喪服を灰で汚してしまった。
代わりに私が死ねばよかったのに、なんて事を思った。
小さい頃から夢を持ち、学校卒業後も夢を目指して勉強していた。
親戚の中ではユミちゃんが主役で、水準だった。
私が都心で総合職として働き出した折、ユミちゃんの結婚を知った。
ずっと目指していた職業は諦めて、婿をとって主婦になったらしい。
本家の家長は金喰い虫が片付いた、と嬉しそうに笑っていたそうだ。
その内、ユミちゃんが子供を出産したと聞いた。
教育ローン返済の目途がたって生活に余裕が出来た頃、
ユミちゃんの危篤連絡があり、その三日後に亡くなってしまった。
通夜の大きな会場に興奮して、ユミちゃんの子供は走り回っていた。
200人くらい来ていた弔問客は、皆が泣いていた。
死化粧の口紅は汚いオレンジで全く合っていなかった。
葬儀に出るのは仕事を理由に断った。
一時間に一本しかない帰りの新幹線を待ち、
駅で煙草を吸ってたら、喪服を灰で汚してしまった。
代わりに私が死ねばよかったのに、なんて事を思った。
2016年10月21日金曜日
2016年8月の短歌(3) 光るレタスと魚
壊しても尽くしてもなおまだ足りぬにんげん一人幸せになる
LED電球だらけの街なかで夜は絶滅したのかも、ねえ
狂うほど頭の良すぎる友達と見上げた空に落ちていく月
ペパミント茶葉はまずくて匂い立ち吐き気どころか思考を止める
きっと今思ってるような底よりも深いところにいるやも知れぬ
手を引いて連れてく菜の花畑にも暗い土色消えない自損
えげつない角度で曲がる月を見る私はここで笑ってやってる
強欲を押し付けて愛と呼称するそんなものなら一生いらない
あわよくば甘い死、よしんば怠惰の腐乱にて、高層ビルの上に赤い灯
真夜中のスーパーマーケットへ行こう光るレタスと魚を見よう
えげつない角度で曲がる月を見る私はここで笑ってやってる
強欲を押し付けて愛と呼称するそんなものなら一生いらない
あわよくば甘い死、よしんば怠惰の腐乱にて、高層ビルの上に赤い灯
真夜中のスーパーマーケットへ行こう光るレタスと魚を見よう
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