2018年9月7日金曜日

2018年5月くらいの短歌 雪柳みたい

人生はだれかの犠牲になるよりも崇め奉られる方がたのしい

去り際に交わす目を伏せ淋しさをそんな余韻で言わないでくれ

雨が降る俺と一緒に死ねないか知らない人のささやきの声

人は皆いつか死ぬ事実それだけを糧に予定を黒く塗り消す

祈るなら百万回でもやらかせよ許す自分が好きな神だけ

終わらせる理由ほしくて吐く嘘は重くて白くて雪柳みたい

生きている資格ほしくて持つ物を生き直したくて捨てる毎日

魂が出あえ出あえとうるさくて葉物野菜を千切りにする

駅に咲くポスターの肌きらきらと猫背の人のうなじに挿さる

電線に引っかかるだけ低い月やましさだけが肥大している

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