2019年1月4日金曜日

2018年9月くらいの短歌 世界戦争

望んでもいない未来の終わりごと丸め込まれる台風の夜

勇敢で美しく至れ眠り着く指輪物語子に説きながら

爪を切るうんざりだとか妬み等ぱきょんぱきょんと切り離しつつ

どろどろのでろでろになる真夜中にどうか寄る辺を決めないでいて

後悔を燃やし黄色い火を見てる大したことは無いのだすべて

生き死にの時を選べずただ走るそういうことが大好きでいる

温かい湖に沈む夢を見てこんな楽しく淋しい朝に

汚れてる手を洗っては汚してる救いようのない日なたの暮らし

振りかざす青い正義の臭うこと漂白剤のようにひりつく

届くとは思えないけど祈るだけ自分を救う何かのために

打ち崩す砂糖の城をいとおしむふたりぼっちの世界戦争

桃、レモン、果物の型、愛に見え果てないことを考えている

眠れない夜空の月はトンネルで知らぬ世界と繋がっている

2018年12月28日金曜日

過去の短歌 アロンアルファは


青と黒言葉を投げる狭い部屋絡んだ前髪視界をふさぐ

石鹸の百合の花匂い甘だるく白いまぶたをなぞって彼岸

我々を冷たく照らす蛍光灯アロンアルファは神の手に有る

君が為惜しからざりし緑色クリームソーダのアイスを溶かす

新しいエナメルの靴履いた朝私は無敵だ雨よ降れ降れ

梅雨晴れ間集合団地の蒲団干し小学生の歯並びに似て

さおだけを売る甘い声鳴らしつつ車の主は煙草を吸って

新しいおもちゃを乞えば舌を出す犬の振りした快適生活

女には花を贈れば喜ぶと思い込んでる男が嫌い

生きている価値見つけずに過ごすまま意味なく口にレゾンデートル

2018年12月14日金曜日

過去の短歌 こたつむりさん

ゴム手して「オペを始める」言えばきみ「しぇんちぇえ」ピノコの真似をするから

例えばの話をしては滑り行く淡い輪郭曜日のすきま

絶対の信仰に似た恋人は私に五月刻んで行って

ふしだらな言葉で檻を作り出し少女は爪を噛み続けてる

イチゴ味これはある種の呪いなの歪んで笑うかわいいお口

イエティがいない方には賭けるけどあなたのことを好きにはならない

波動拳繰り返してもお湯が沸くわけじゃないのよこたつむりさん

楽観の権化のような人といて憂鬱とかに甘えてみたい

思春期はピンクの竜の尾に付けて後悔とともに飛ばせてやろう

深海にゆったり沈んでいけたらねたぶん憎悪も愛せるだろう

2018年11月30日金曜日

2018年8月くらいの短歌 満願成就

八月の金曜最後なのだから名残の桃を買えばよかった
 
塗りたてのペンキの匂い夜が来て私のためのあなたを探す

すぼめると蕾のようなその口で満願成就の呪いを吐いて

嘘つきを積み重ねてやるジェンガだろう望めば全部崩してやろう

お互いに足りぬ過剰を持ち過ぎて傷になってるような歯車

湿りゆく布団の中で考える極楽地獄あわよくば、きみ

毎朝のパンの焼き色愚かしく愛おしいから生きてゆけるか

朝方のかわいい悪夢ことさらに一人であると突き付けている

過ぎていく花を全部を泥にするそれで一緒にいられるならば

青色に透けるキュラソーゼリーにて思い出補正に後悔を焼く

縦列に隊なす南極ペンギンの何番目かに化ける情動

伝説をとろかすほどの熱を持つ今日は全部を終わらしてやる

2018年10月5日金曜日

2018年7月くらいの短歌 五枚切り

死にかけの蝉なみの生を駆け抜ける夜スニーカー鳴らす蛍光

人並みに生きる力を手に入れるコーヒーだけで眠れない夜

心臓の中に小さな海がありきれいな貝を見つけたりする

月曜を乗り切ったのでスーパーで3割引の鮨詰めを買う

夏が濃く例えば誰かのためになら消えちゃうなんて言えちゃう人ら

夏の日の夕方に食む西瓜ごと私を愛してくれぬか否か

無邪気さで付け入る隙をこじ開ける優しさずるさそういう酷さ

まっとうに恋とか愛をしてみても安全剃刀状の不安を

人生はまだまだ続く五枚切りパンの最後を頬張りながら

道端のガム、犬の糞、吐瀉物に更に加えて私の嗚咽

夢ならば口中で噛むガムみたく膨らませて割るそういう仕分け

天国は片手で数えるだけのこと濁った気持ち巻き添えにして

嫌なこと辛いこと怖いこと全部もっと過激なやり方で消す